ロボット学会2021 OS14 確率ロボティクスとデータ工学ロボティクス~認識・行動学習・記号創発~のオーガナイザーを務めております,名古屋大学の赤井直紀と申します.
今回,本OS初の試みとなります企画討論を,9月10日9:00~9:45で実施いたします.
本討論会では,「信頼できる自動運転のための技術」というタイトルで,国内の研究・産業分野の一線で活躍される自動運転に携わる5名の方をお招きし,「信頼性」という言葉をキーワードとして,それぞれの取組紹介を行って頂きます.
全体討論の時間も設けていますので,それぞれの発表者に質問頂くことも可能です.
短い時間ではありますが,国内の自動運転の分野を牽引する方々が一同に会しますので,大変有意義な情報が濃縮して聞ける会となっております.
ぜひお越しいただけますと幸いです.
概要
自動運転の開発は世界各地で行われているものの、その実用化が今後数年で達成されるとは考え難い。これはひとえに、自動運転に対する「信頼性」がまだ不十分であるためによるものであると考える。もちろんこの信頼性には、「技術的問題」もあれば、「制度的問題」もあるが、本企画討論では技術に焦点を当て議論を行う。この議論のために、自動運転を構成する要素技術、およびシステムデザインの研究・開発を行う研究機関と企業の技術者・研究者を招き、自動運転の信頼性をテーマとして、それぞれの取組紹介を行っていただく。またこれを基に、全体での議論を行う。
スケジュール
9:00~9:02 あいさつ(名古屋大 赤井)
9:02~9:30 発表(5名各5分)
9:30~9:45 全体討論(会場含む質疑応答)
発表者
横塚将志(産業技術総合研究所)
「LiDAR SLAMにおける高信頼なループ閉合の実装について」
地図がない場所での自律移動体の運用を考えた際、SLAMは未だ重要な技術であり、信頼できる手法が望ましい。本発表では機械学習器などを使わずに、高信頼かつ高速にループ閉合を行う実装方法について紹介する。
堀部貴雅(Tier IV)
「OSSとしての自動運転開発」
自動運転という大規模システムをOSS上で効率的に開発を行うためには、基礎となるシステムアーキテクチャと、それらを取り巻く開発基盤が重要である。実際の自動運転の計画・制御モジュールの開発に焦点を充てながら、これらの取り組みを紹介する。
原田将弘(Woven Core)
「自動運転システムにおける信頼度とODD」
あるシステムが信頼できるとは,そのシステムの働きの期待値に対して,実際の働きが伴っている状態だと考える.自動運転システムに対する期待値を表現する手段に,ODD(運行設計領域)がある.いかにODDを決めるかは,自動運転システムを成立させる課題の1つであり,この取り組みを紹介する.
米陀佳祐(金沢大学)
「市街地自動運転における認識限界とインフラによる支援」
信頼性の高い自動運転には高度な認識技術に加えてインフラ支援の見極めも重要である.本発表では信号機認識及び自己位置推定を実施例として認識技術の限界点とインフラ支援が必要な状況の分析事例を紹介する.
青木俊介(国立情報学研究所)
「協調する自動運転車と信頼できない車両」
深層学習による行動認識と車両通信を用いた協調走行は公道での自動運転のためには非常に重要な技術である。本発表では協調走行技術について紹介した後に、実社会で想定される信頼性に関する問題に焦点を当てる。
配信元・問合先――――――――――――――――――――――――――――
赤井直紀
名古屋大学大学院工学研究科
akai@nagoya-u.jp
0527893289