労働人口の減少や人件費の高騰に伴い、自動化・ロボット化へのニーズがより一層高まっています。自動化が達成された工程がある一方、治工具類を用いて対象物を整定したり、ロボットが扱いやすいように作業者が対象物を整列したりする工程があり、自動化のための「お膳立て」がいまだに求められています。
対象物やロボットなどの状態推定は、近年急速に開発が進んでいる、Deep Learningに代表される機械学習で実現できるようになったものの、その状態推定に基づいて生成された動作を実現できるかどうかは、対象物を扱うロボットハンドやグリッパの性能にかかっています。
機械学習をベースとする物体認識には誤差がつきものであり、認識誤差があっても作業を実現できるロボットハンドが求められています。そこで、期待が高まっているのが、硬さと柔らかさを活用したソフトロボットハンドの利用であり、これにより高度な把持と汎用性の両立が可能となります。
本講座は「汎用性と柔軟性を高めるロボットハンド設計の考え方」と題し、ケーススタディを通じて、そのための設計手法を解説します。ソフトロボットハンドは物体形状や環境への適応性に優れ、物体認識精度が低くても容易に物体ハンドリングが行えます。一方、低剛性による位置制御性能や発生可能な力の低下といったデメリットがありますが、これらを解消する講師らの方法論を紹介します。
◇ 申込URL:https://corp.nikkan.co.jp/seminars/view/4914
【受講効果】
■ビンピッキング用・多品種ハンドリング用ソフトハンドの設計方法が学べます。
■柔らかさと歪みを活用したロボットハンド設計が、事例を通じて学べます。
■ソフトロボハンドでの高把持力・高精度、高速・高把持力の確保の方法が学べます。
■物体の乾潤に左右されない安定把持、摩擦制御可能なソフトロボハンドが理解できます。
◇ 開催日:2024年 6月 24日(月)13:30~17:00
◇ 申込URL:https://corp.nikkan.co.jp/seminars/view/4914
◇ 講 師:金沢大学 理工学研究域 教授 渡辺 哲陽 氏
【プログラム】
1.汎用性を高めるロボットハンドを構成するには?.
1-1 多機能を得るロボットハンドの要件
1-2 汎用性を高めるための機能要件
(例:硬さと柔らかさの融合、把持モード可変、摩擦制御)
2.硬さと柔らかさを活用したロボットハンド設計
2-1 ロボットハンドにおける柔らかさの意義
2-2 柔らかさと硬さを両立させる設計のコツ
2-3 ケース1:ジャミング機能をもつ腱駆動多肢ハンド
2-4 ケース2:ビンピッキング用ロボットハンド
3.環境を活用した把持モード可変ロボットハンドの設計
3-1 環境をアクチュエータとして活用
3-2 多品種ハンドリング用グリッパ 3-3 小物体ハンドリング用グリッパ
3-4 隘空間用ロボットハンド
4.負荷に応じた把持モード可変ロボットハンドの設計
4-1 高把持力・高精度グリッパ
4-2 高速・高把持力ロボットハンド
4-3 ツイスト把持による重量物把持
5.把持中に摩擦を変える手法
5-1 摩擦を変える意義
5-2 物体の乾潤にかかわらず安定して把持できるソフトロボット指
5-3 摩擦制御可能なソフトロボットハンド
6.今後の展望と質疑応答
◇ 申込URL:https://corp.nikkan.co.jp/seminars/view/4914
配信元・問合先――――――――――――――――――――――――――――
今堀崇弘
日刊工業新聞社
t.imahori@media.nikkan.co.jp
0669463382