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活動報告2023:若手・学生のためのキャリアパス開拓研究専門委員会


日本ロボット学会
若手・学生のためのキャリアパス開拓研究専門委員会
2023年度活動報告


委員長 槇田 諭(福岡工業大学)


当委員会では本年度、以下の研究会ならびにオープンフォーラムを開催した(する)。

  • 2023/03/31 委員会(オンライン),触覚若手の会との情報交換会
  • 2023/06/19 研究者キャリアとして高専教員座談会
  • 2023/06/28 触覚若手の会・ろぼやん合同交流会@ROBOMECH2023
  • 2023/09/12 学術講演会オープンフォーラム「このロボットがすごい2023」
  • 2023/09/13 学術講演会学術ランチョンセミナー「異分野交流インフォーマルランチ」(ロボット勉強会(robosemi)運営会との共同開催)
  • 2023/09/13 OS25:研究活動とその周辺(ロボット勉強会(robosemi)運営会との共同開催)

本報告書では6月19日開催の座談会および6月28日開催の交流会について簡単に報告する。


<研究者キャリアとして高専教員座談会>

2023年6月19日(月)15:00-17:00,参加者:15名

 本座談会はアカデミアの研究職としての高専(高等専門学校)教員の実態を情報共有するために企画した.昨今の任期付き研究職ポストの課題に対して悲観的な意見も少なくない一方で,高専教員のポストは任期なしで募集されることも少なくない.また,筆者の経験として助教であっても独立した研究室運営が任される,責任ある立場であった.このような研究職としての高専教員というキャリアパスを検討してもらうために,現高専教員,元高専教員を招聘して,高専での研究活動について話題提供,ディスカッションをした.

 まず,現高専教員として土谷圭央先生(苫小牧工業高等専門学校)に研究遂行に関する事項として,環境整備,研究時間,予算等についてお話しいただいた.加えて,教員としての校務などについても状況を教えていただいた.国立高専は全国に51校があり,国立高等専門学校機構が取りまとめている.そのスケールメリットを生かすことで,さまざまな支援を享受する機会があるとのことであった.

 次に,岐阜工業高等専門学校から産業技術総合研究所に異動した小木曽里樹先生に高専教員時代の取り組みから,異動するに至った経緯をお話しいただいた.独立した研究室運営ができる点は研究職として魅力的であるが,より大きなプロジェクトに参画したり,研究チームを組んで協働したりする機会は,大きな研究組織と比べると多くない.キャリア形成の上で,どのタイミングで何に取り組むかという観点は重要であると感じた.

 最後に奈良工業高等専門学校から大阪工業大学へ異動した後,鹿児島工業高等専門学校の校長に着任した上田悦子先生に,多様なキャリアから高専教員の研究を取り巻く状況をお話しいただいた.一教員としての立場と校長としての立場は大きく異なるものの,高専教員の研究環境をさらに改善したいという思いが伝わってきた.

 三者三様の状況であるが,さまざまな状況や理念が共有された座談会となった.高専教員に限らず,多様なキャリアプランに資するような情報交換会を今後も企画したい.

 


<触覚若手の会×ろぼやん交流会 in ROBOMECH2023>

2023年6月28日(水)13:00-17:00 場所:名古屋国際会議場 2号館3階会議室(231室)
若手・学生のためのキャリアパス開拓研究専門委員会主催 若手ロボティクス研究会

 これまで触覚若手の会および日本ロボット学会若手・学生のためのキャリアパス開拓研究専門委員会(愛称:ろぼやん)では、それぞれの団体で若手世代の横の繋がりを広げるイベントを実施してきた。今回の企画では、ロボットと触覚(ハプティクス)という比較的近い分野のコミュニティ同士での交流会を企画した。

 本企画の中心は参加者同士のグループディスカッションである。今回は自己紹介シートと事前アンケートでグルーピングするドリームマッチ方式を採用し、1グループ4~5名でそれぞれのテーマに沿って自由な討論を行った。セッション①では若手のキャリアパスについてをテーマとした。参加者の多くが学生あるいは若手研究者であったことから、就職あるいは博士課程への進学などの悩みについてざっくばらんな討論を行った。セッション②では各自の研究課題に因んだテーマについて討論を行い、自身の研究や日頃の時間の使い方など様々なテーマについて討論した。セッション③では各グループで自由に設定したテーマについて議論した。筆者のグループでは若手コミュニティの引き継ぎというテーマで討論し、両団体が経験した苦労やノウハウを交換しながら今後の活動運営について意見を出し合った。セッション間の休憩時間にはデモンストレーションタイムを設け、それぞれが持ち寄った研究成果を体験する機会も用意した。最後に、優秀な発表について日本バーチャルリアリティ学会ハプティクス研究委員会よりベストプレゼンテーション賞の授与を行った。

 本企画を通して、学生同士あるいは学生と若手研究者との間で率直な意見交換を行うことができた。参加した学生からは、研究の進め方や博士課程への進学などについて不安に思っていたことを話せて良かったという声も聞かれた。今回の企画のように若年層を中心とした活動団体の間で交流を持つことは研究活動・学会活動の活性化にも資すると思われ、今後も積極的に若手交流の企画を行っていきたい。


【プログラム概要】

  • オープニング(13:00-)
  • 開会
  • 参加者自己紹介
  • 両団体の活動紹介
  • グループディスカッション(14:00-16:45)
  • セッション①(テーマ:若手キャリアパスについて)
     25分 ディスカッションタイム
     20分 発表タイム(発表3分、質疑2分×4チーム)
  • 休憩+デモンストレーションタイム(30分)
  • セッション②(テーマ:ロボットと触覚、研究方法、研究成果の普及)
  • セッション③(テーマ:自由なテーマ、若手コミュニティの引き継ぎ)
  • クロージング(16:45-)
  • 表彰式・閉会