活動報告 2022.3~2023.8: 介護ロボット研究専門委員会
当研究専門委員会は、2022年3月に設立され、2023年8月まで、下記のような活動を行ってきた。
- 2022年4月15日 第1回委員会開催
- 2022年9月7日~8日 第40回日本ロボット学会学術講演会にて介護とロボティクスOS開催
- 2022年11月11日 スマートライフケア共創工房見学会および第2回委員会開催
- 2023年6月22日 日本ロボット学会誌 2023 年 41 巻 5 号 p. 427-431にて「介護ロボット學の創成」という解説記事を出版
- 2023年8月3日 第3回委員会開催
第40回日本ロボット学会学術講演会にて介護とロボティクスOSについて、当委員会は3月に新設したばかりなので、最低5件は講演申し込みがあるだろうと思ってOS提案をしました。しかし、ふたを開けてみると17件も申し込んでいただけました。セッション構成としては、冒頭に基調講演を加えて、2日間にわたり、合計3セッションとなりました。各セッションとも大盛況で、多くのご講演の中で、ラボ検証や施設実証の取り組みについて、貴重な結果を共有していただいただけでなく、当委員会の狙い通り、成功や失敗も含めた「経験」をも深く共有していただくことができました。
第2回委員会は北九州市で開催し、厚労省介護ロボットプラットフォーム事業におけるリビングラボの一つであるスマートライフケア共創工房の見学、同事業の地域相談窓口「九州介護ロボット開発・実証・普及促進センター」の見学の後、委員会を開催しました。委員会では北九州市介護ロボット等導入支援・普及促進センターの樽本センター長によるご講演で、北九州モデルを詳しくご紹介いただきました。そのあとワークショップを行う計画だったのですが、あまりにご講演が刺激的で、委員会の時間一杯、活発な質疑応答が続き、介護ロボットイノベーションの核心に迫る総合討論となりました。
第3回委員会は東京都大田区にある、ロボット介護機器を用いて生産性向上に取り組む、日本で最も先進的な施設の一つである社会福祉法人善光会サンタフェガーデンヒルズ内で委員会を開催しました。施設の見学の後、産総研上席主任研究員の柴田崇徳さんを招いて、セラピーロボット「パロ」の社会実装について詳細にご説明いただきました。パロはEU、イギリス、オーストラリア、シンガポール、香港、アメリカでバイオフィードバック医療機器として承認されているとのことでしたが、介護施設においても、認知症患者の周辺症状の抑制や、がん患者の緩和ケアなどに効果的であるという事例のご紹介をいただきました。その後、委員でワークショップを開催し、改めてニーズ把握や、今後の方策について熱い議論が交わされました。
今年開催の第41回日本ロボット学会学術講演会でも、介護とロボティクスOSを立てたところ、22件もの講演申し込みがあり、委員会としても大変楽しみにしているところです。