【開催概要】
◇ 開催日:2025年 12月 3日(水)13:00~17:00 ※録画視聴も可能
◇ 会 場:日刊工業新聞社 東京本社&オンライン
◇ 申込URL:https://corp.nikkan.co.jp/seminars/view/7702
【開催趣旨】
AI(Artificial Intelligence、人工知能)の応用は急速に進展し、生産、物流・配送,家庭などさまざまな分野に着実に浸透しつつあります。生産設備のAI実装のほか、AIの適用により生産システム、さらには製品の流通を含むプロセス革新が期待されています。例えば、多品種アイテムのピッキング性能を競う国際的なロボット大会である「Amazon Robotics Challenge」や「World Robot Summit(WRS)」は、こうした動きを加速する大会であり、生産・物流分野へのAIとロボット技術の適用例を提示しつつ、数年後の工場・配送センター・コンビニ店舗の姿を想起させるものとなっています。
本講座は、これらの大会で優勝した経験を持ち、関連する国家プロジェクトなどで未来技術にも挑戦している講師が、AIおよび3次物体認識の基礎に加え、工場・大規模配送センターやコンビニなど一般店舗で必須となる物体認識技術について、4時間集中で解説します。
とりわけ物体認識手法の基礎については、2D/3D両面でのアプローチを紹介し、市販3Dセンサでは捉えにくい対象物に対する認識テクニックを紹介。モデルレス把持位置決定やピッキングリスク最小化といった柔軟な動作のための技術を取り上げます。また応用については、一連の最新技術を、実際に大会に投入した技術を中心に実用化の観点から説明するとともに、現場で使えるシステムを設計するための考え方を紹介します。
さらには、LLM(大規模言語モデル)を用いた行動計画の課題と、それを機能情報(機能認識技術)で修正する研究事例を通じて、機能認識を利用した動作生成やVLMを利用したタスクモニタリング、生成AIを用いたプログラミングの自動化などロボットプログラム自動生成に関する最新の研究動向も解説します。
【受講効果】
■特定物体の位置姿勢認識、柔軟な動作のための物体認識の各種手法が学べます。
■ロボットタスク自動生成を支援するための新技術「機能認識」の詳細と
その応用事例を具体的に学べ、自社での応用のヒントがつかめます。
■機能認識によるピック&オペレーションの可能性を感じていただけます。
■生成AIを用いた行動計画・軌道計画の最前線とエラー修正のコツが掴めます。
【プログラム】
1.ロボットビジョンの基本課題
1-1 AIロボットの利用分野
(1)配送/(2)家庭/(3)生産(製造物の認識)/(4)物流(商品の認識)
1-2 主要3分野におけるロボット・ロボットビジョンの課題整理
(1)生産(部品投入の場合):タスクは「Pick and Place」
(2)物流:タスクは「Pick and Operation」
(3)家庭:タスクは「Pick and Operation」
1-3 ロボットビジョンの共通課題
(1)位置と姿勢を知る/(2)モノの名前を知る/(3)動作を作る(生成する)
1-4 ロボットビジョンの基本構成
1-5 バラ積み物体のピッキングシステム
2.3次元センサの特徴と利点
2-1 3次元センサの利点と3D計測の原理
2-2 3次元センサの分類(パッシブセンサとアクティブセンサ)
2-3 3次元センサの計測原理
(1)三?測量(パッシブセンサ、アクティブステレオ法、構造化パターン法)
(2)同軸測量
(3)アクティブ型(時間差計測??時間法(TOF: Time Of Flight)、位相差計測)
(4)パッシブ型(照度差ステレオ法、焦点利用 (Depth from Focus / Depth from Defocus))
2-4 市販センサの状況
2-5 3次元センサの性能比較
2-6 5. ポイントクラウドデータ(3次元点群)
3.物体認識アルゴリズム
3-1 2次元と3次元、認識手法の分類
3-2 2D的アプローチ
(1)画像中のキーポイント特徴量を利用(SIFT、ORB、AKAZEなど)
(2)画像の画素そのものを利用(テンプレートマッチングなど)
3-3 2D画像マッチングの実用化技術・最新技術
(1)独自性の高い画素を選択
(2)照明変動の影響を受けにくい画素を選択
(3)周辺対象物との識別に寄与する画素を選択
3-4 2D的アプローチ(機械学習をベースとする手法)
(1)特徴点を利用する物体検出:SuperPoint、SuperGlue、SiLKなど
(2)パッチ領域を利用する物体検出(テンプレート画像を利用):LoFTRなど
(3)テンプレート画像を利用しない物体検出(オブジェクトベース):YOLOv1など
(4)ユーザー指示ベースの物体検出:SAMなど
(5)言語と画像情報の両方を利用(言語系):Grounding DINOなど
3-5 3D的アプローチ
(1)3Dキーポイントマッチング
(2)2つのタイプの3次元特徴量
(3)おもな3次元特徴量(SHOT特徴量/PPF(Point Pair Feature)特徴量)
4.柔軟な動作のためのロボットビジョン
4-1 プリミティブ形状近似によるモデルレス把持位置決定
4-2 ピッキングリスク最小化に基づく動作生成(把持余裕度推定モデルなど)
5.実例紹介:ロボット競技大会にみる実用技術
5-1 Amazon Robotics Challenge:深層学習による物体識別と把持パラメータ設定
5-2 World Robot Summit:品の精密位置決めは2D?法を駆使して解決
6.ロボット知能化研究の最前線
6-1 お茶会ロボットはなぜ難しいか:LLMによる行動計画と問題点の分類
6-2 機能認識技術を用いたLLMによる行動計画の修正
6-3 物理レイヤーへの接続と研究事例
(1)機能認識を利用した動作生成
(2)VLMを利用したタスクモニタリング
(3)生成AIを用いたプログラミングの自動化
6-4 ロボットプログラム自動生成に関する最新の研究動向
7.今後の展望
7-1 産業用ロボットの普及のために何が必要か?
8.まとめ・質疑応答
◇ 申込URL:https://corp.nikkan.co.jp/seminars/view/7702
配信元・問合先――――――――――――――――――――――――――――
今堀崇弘
日刊工業新聞社
t.imahori@media.nikkan.co.jp
0669463382