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日本のロボット研究の歩みHistory of Robotics Research and Development of Japan1986Locomotion〈ロコモーション〉4脚車輪型移動ロボットの研究開発


大道 武生三菱重工業(株)
穗坂 重孝三菱重工業(株)
西原 正敏三菱重工業(株)
中山 淳二三菱重工業(株)
佐藤 正俊三菱重工業(株)

この論文は、ロボット研究開発アーカイブ「日本のロボット研究開発の歩み」掲載論文です。

安定した3次元環境での移動を可能とするには脚移動,特に,他脚移動が望ましい.一方,平面の移動は自動車に代表されるように車輪移動が効果的である.また,その中間の移動形態としてクローラ方式があり,十分なクローラ長を有する場合,安定した3次元移動が可能である.しかし,原子力発電所等の狭隘な建屋内での移動を可能とするロボット等においては,通路の制約から厳しい小型化が要求される.これを解決するために,様々な移動様式の検討と解析,および,小型モデルによる凹凸,段差,階段移動実験を経て,“4脚6車輪方式”を発想した.

このロボットは中央の2輪(動輪)を使って平面を車輪移動する.脚先の4つの車輪(補助輪)は方向変換やその場回転時の安定に寄与するとともに,胴体を持ち上げた上体での移動を可能とする.不整地での移動移動時は4脚を利用した“匍匐移動”を行う.また,この匍匐移動の前後に補助輪を使った移動を組み合わせることによって,脚長の制限からくる移動対象形状の制限を緩和することが出来る.脚先端,胴体前方には距離センサを有し,移動対象物との距離を測定することで匍匐パタンに適正な修正を加えること,および,対象物の内部データとの食い違いのも適応可能である.本ロボットには6自由度のマニピュレータと5軸のアーム型ステレオカメラが搭載され,バルブの開閉作業等の軽作業を完全遠隔で可能となった.さらに,106Gyの耐放射線性,温度70℃,湿度100%の過酷な条件での動作,巨大地震下でも転倒しないこと,万一の転倒対策としての安全ベルトやエアバックの導入についても検証され,極限作業ロボットの雛型となっている.

残念ながら,匍匐移動の速度が遅く直接の実用には至らなかったが,匍匐パタンの適正化,有脚と立脚時での減速比切り替え,接地方式改良による脚負荷の均一化等の改良研究によって,理論上は100倍以上の高速化が可能になっている.

図1 CV-R 全体イメージ
図1 CV-R 全体イメージ
図2 CV-R 移動a(階段移動状況)
図2 CV-R 移動a(階段移動状況)
図3 CV-R 移動b(階段移動状況)
図3 CV-R 移動b(階段移動状況)
図4 CV-R 作業
図4 CV-R 作業
図5 CV-R 脚車輪要素a
図5 CV-R 脚車輪要素a
図6 CV-R 脚車輪要素b
図6 CV-R 脚車輪要素b
図7 CV-R 脚車輪要素c
図7 CV-R 脚車輪要素c
図8 CV-R 脚車輪要素d
図8 CV-R 脚車輪要素d
図9 CV-R 耐放射線
図9 CV-R 耐放射線
図10 CV-R 耐温度
図10 CV-R 耐温度
図11 CV-R 安全装置a
図11 CV-R 安全装置a
図12 CV-R 安全装置b
図12 CV-R 安全装置b
図13 CV-R 工具a
図13 CV-R 工具a
図14 CV-R 工具b
図14 CV-R 工具b