日本のロボット研究の歩みHistory of Robotics Research and Development of Japan1971Sensing〈センシング〉人工触覚によるパターン認識
木下 源一郎 | 中央大学理工学部 |
高瀬 國克 | 電子技術総合研究所 |
森 政弘 | 東京工業大学 |
この論文は、ロボット研究開発アーカイブ「日本のロボット研究開発の歩み」掲載論文です。
本論文は物体把持によって取得される触覚センサ情報を用いて,把持物体の形状識別を行った.
はじめに,指に接触する物体表面の取得法について述べており,物体の接触によって生起する圧力分布からその形状を識別する理論的方法について示した.
つぎに,この実験のために人工の手と称した5指のハンドを用い,指表面上に人工触覚として,オンーオフセンサを22個構成して,把持物体の接触情報を取得した.ハンドの物体把持は一定のシーケンスで指の空気圧制御によって行った.本実験では円柱(半径70mm~110mmの10mmおき5種類)と角柱(一辺50~90mmの10mmおき5種類)の2種類について,その両者の分類実験を行った.また,同時に,角柱はその中心軸の周りに回転して把持し,識別実験を行って両者の識別率を90%以上にあげることができ,人工の手による把持物体の形状識別を可能にした.