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日本のロボット研究の歩みHistory of Robotics Research and Development of Japan2012Sensing〈センシング〉三次元形状計測ユニット MotoEye-3D


入江 俊充株式会社 安川電機
沓掛 史典株式会社 安川電機
安田 裕也株式会社 安川電機
伊藤 俊樹株式会社 安川電機
一丸 勇二株式会社 安川電機

この論文は、ロボット研究開発アーカイブ「日本のロボット研究開発の歩み」掲載論文です。

製造業分野においては,少子高齢化による労働力の減少が予想され,工場の省人化を目的とした生産プロセスの自動化への関心が高まっている.特に近年では,複雑な形状の部品の組み立て作業や,パレットにばら積みされた部品を配膳する作業などを,ロボットにより自動化する取り組みが積極的になされている.ロボットがこのような作業を行うためには,部品の位置と姿勢を知る必要があり,三次元の計測・認識が可能なビジョンセンサが必要となる.そこで我々は,部品の位置と姿勢を取得するための三次元形状計測ユニットであるMotoEye-3Dを開発した.
MotoEye-3Dは,レーザスリット光を対象物へ照射し,その反射光を高速カメラで撮像して,三角測量の原理を用いて三次元情報を計測する.さらに,計測した三次元情報から部品の位置と姿勢を算出する機能も備えている.このため,MotoEye-3Dをロボットコントローラに接続するだけで,ロボットは部品を把持することが可能となる.MotoEye-3Dの特徴を以下に記す.
・ 広い視野範囲を高速かつ高精度に計測することが可能.
・ レーザスリット光を照射するため特別な照明装置が不要.
・ ロボットが部品を把持する際に,パレットもしくは他部品にロボットハンドが干渉するのを防ぐ機能を搭載.
・ カメラやレーザなどの光学部品と演算処理部とが一体型のオールインワン構造.コンパクトな外形と省配線を実現.
・ 耐環境性に優れ,防塵防滴に関する保護等級IP54に準拠しており劣悪な環境下での使用も可能. MotoEye-3Dをロボットシステムに搭載することにより,組み立て作業やばら積み部品の配膳作業など,これまで人手に頼らざるを得なかった作業の自動化が実現可能となる.また,さまざまな分野でロボットの適用範囲が広がり,多くの自動化の期待に応えることができる.

2013年 第18回日本ロボット学会実用化技術賞受賞

MotoEye-3D外観写真
MotoEye-3D外観写真

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関連論文


[1] 一丸勇二,出口央,伊藤俊樹,河野寿之:“ ロボットの環境認識”,技報 安川電機,第75巻,第2号,101~104ページ,2011年.