SEARCH
MENU

日本のロボット研究の歩みHistory of Robotics Research and Development of Japan1982Sensing〈センシング〉3次元情報を用いた物体認識


大島 正毅電子技術総合研究所
白井 良明電子技術総合研究所

この論文は、ロボット研究開発アーカイブ「日本のロボット研究開発の歩み」掲載論文です。

電子技術総合研究所(現産業技術総合研究所)ビジョングループでは世界に先駆けて線状光投影とテレビカメラを用いるビジョン用3次元計測システム(レンジファインダ)を開発した[1]。また,3次元の点群に対し面素と呼ぶ単位を求め,これから領域を抽出する研究が行われた[2]。 本研究はこれらを基礎になされたもので:
距離測定装置によって入力したシーンの3次元情報から,複数個の積み重なった平面と曲面からなる物体を認識する手法を開発した。この手法を実行するシステムは学習・認識の2つのフェーズで動作する。学習フェーズでは,単独の物体からなるシーンのデータから,シーンを領域の属性と領域間の関係で記述する。この記述を物体のモデルとして記憶する。認識フェーズでは,複数の物体からなる未知のシーンを学習フェーズの場合と同様に記述し,その記述を物体のモデルと照合して,物体を1個づつ認識する。照合はデータ駆動型の処理およびモデル駆動型の処理を組み合わせて効率的に行っている。積木や機械部品を対象とする実験により手法の有効性を示した。

本研究では,
  1. 従来ビジョン処理においてきわめて困難であった立体物の認識を線状光投影とテレビカメラを用いるビジョン用3次元計測システムにより得た3次元データを用いることにより確実に行えることを示した。
  2. 前処理,領域データによる記述,照合による認識,学習など一貫した手法により融通性があり効率もよい認識を可能とした。

1983年 電子通信学会論文賞受賞

Fig. 1 Range data.<br /> (for a scene consists of planar and curved surfaces)
Fig. 1 Range data.
(for a scene consists of planar and curved surfaces)
Fig. 2 Surface elements.
Fig. 2 Surface elements.
Fig. 3 Regions
Fig. 3 Regions
Fig. 4 Recognition result.
Fig. 4 Recognition result.
Fig. 5 Range data.<br /> (for a scene consists of machine parts)
Fig. 5 Range data.
(for a scene consists of machine parts)
Fig. 6 Surface elements.
Fig. 6 Surface elements.
Fig. 7 Regions
Fig. 7 Regions
Fig. 8 Recognition result.
Fig. 8 Recognition result.