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日本のロボット研究の歩みHistory of Robotics Research and Development of Japan1974Sensing〈センシング〉レーザトラッカーによる3次元物体の特徴抽出


石井 優電子技術総合研究所
長田 正電子技術総合研究所

この論文は、ロボット研究開発アーカイブ「日本のロボット研究開発の歩み」掲載論文です。

ロボットの視覚装置として,目的に応じて限られた時間内に,必要な精度で, かつ必要な部分のみを認識できる機動的な能力を持つことが要求される。この ために情報収集手段にアクティブな機能をもたせ,情報収集とその処理および 認識を一体化することが望ましい。本論文はこのようなアクティブな視覚機能 をもつレーザトラッカーの原理とその3次元物体認識への応用について述べた ものである。

1976年度計測自動制御学会論文賞受賞

本研究により,

  1. レーザトラッカーは,対象物体に照射したレーザースポットの3次元位置を高速に計測出来ることを利用し,物体のエッジをトラキングすることにより,その形状を認識できること。
  2. ロボットマ二ピュレータとハンドアイシステムを構成し, それぞれのシステムが同 時に動作可能な並列作業とビジュアフィードバックの概念を用いて簡単なモデル実験を行い満足すべき成果を得た[1], [2],[3]。
さらに本システムの概念を発展させ,ロボット作業空間における3次元位置と姿勢を求めるセンサーを開発し,種々のロボット作業に応用した[4],[5] 。

図1 角柱のレーザトラッキング
図1 角柱のレーザトラッキング
図2 円柱のレーザトラッキング
図2 円柱のレーザトラッキング

動画


対応論文


石井 優,長田 正:レーザートラッカーによる3次元物体の特徴抽出

計測自動制御学会論文集,第10巻5号,pp.599-605, 1974
(リンク先:https://www.jstage.jst.go.jp/article/sicetr1965/10/5/10_5_599/_pdf)

関連論文


[1] 石井 優, 長田 正, 永山 一行,三上 芳夫: HAND-EYEシステムの研究(1)- 並列動作による簡単なモデル実験について-, 電子技術総合研究所彙報,第38巻 第10号,pp.47-66, 1974

[2] 石井 優, 長田 正, 三上 芳夫: HAND-EYEシステムの研究,バイオメカニズム3 (東京大学出版会),pp.205-215, 1975

[3] M. Ishii and T. Nagata: Feature Extraction of Three-Dimensional Objects and Visual Processing in a Hand-Eye System using Laser Tracker, Pattern Recognition, Vol.8, No.4, pp.229-237, 1976. [1976年度 Pattern Recognition 論文賞受賞]

[4] 石井 優, 坂根 茂幸,柿倉 正義, 三上 芳夫:3次元位置・姿勢センサとロボットへの応用,計測自動制御学会論文集,第21巻4号,pp.87-94, 1985. [1985年度計測自動制御学会論文賞受賞 ]

[5] M. Ishii , S. Sakane, M. Kakikura and Y. Mikami: A 3-D Sensor System for Teaching Robot Paths and Environments, The International Journal of Robotics Reseach, Vol.6, No.2, pp.45-59, 1987.