日本のロボット研究の歩みHistory of Robotics Research and Development of Japan1997Sensing〈センシング〉超並列・超高速ビジョンを用いた 1msターゲットトラッキングシステム
中坊 嘉宏 | 東京大学 |
石井 抱 | 東京大学 |
石川 正俊 | 東京大学 |
この論文は、ロボット研究開発アーカイブ「日本のロボット研究開発の歩み」掲載論文です。
動的に変化し,未知の環境でロボットを制御する場合,ビジュアルサーボなどの視覚フィードバック制御が有効である.ところが,従来のようにCCDカメラを使った場合,画像サンプリングレートがビデオレート(30Hz)で制限され,制御を高速に行うには不十分であった.
これに対して,本研究で開発した1msターゲットトラッキングシステムでは,センサと汎用のプロセッシングエレメント(PE) が1対1に直結され,16x16のSPEについて,各画素ごとに完全並列な処理が実現されている.そのため,画像処理など全ての処理を含めた制御サイクルタイムとして,1msという従来にない高速性が実現されている.図1にシステムの構成を,写真にシステムの外観を示す.
このシステムを用いたトラッキング実験では,図2に示すように,高速かつ不規則に動く対象に対しても追従できることが示され,ロボットなどの制御に充分なサーボレートが実現されていることが示された[1,4]. またこのシステムを用いた高速グラスピングなども実現されている[2,3,4].
1998年 日本ロボット学会論文章受賞