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連載「ロボットシステムインテグレータの魅力」第2回 三明機工株式会社 こんなに面白い仕事は無い、こんなに楽しい仕事も無い


この連載は、FA・ロボットシステムインテグレータ協会(SIer協会)が提供させて頂きます。ロボットシステムインテグータ(SIer)は、ロボットを使ったシステムを構築し種々の産業の自動化を実現する職業です。この連載ではSIerの世界で活躍されている皆さんにロボットシステムインテグレータという職業の魅力を語って頂きます。これを機会に皆様にSIerの世界を広く知って頂ければ幸いです。

 

連載「ロボットシステムインテグレータの魅力」第2回 三明機工株式会社
こんなに面白い仕事は無い、こんなに楽しい仕事も無い
三明機工株式会社 代表取締役社長 久保田和雄

 こんなに面白い仕事は無い。アイデア一つでお客様の夢を実現させることが出来ます。自分の設計したものがお客様の工場で実際に稼働して生産に寄与した時、これほど感慨深いものはありません。そしてお客様から「有り難う。」の言葉を頂いた時には、これまでの苦労はどこかに吹き飛んでしまっています。非常に不思議な感覚です。こんな面白い仕事をする職業がシステムインテグレーター(SIer)である。そこにロボットを組み込んで更に自動化の対象を多品種化して、これからの日本の少子高齢化社会で生産性を維持できる大きな使命を持った職業なのです。

 もともと自分は海が好きで大学時代は体育会バスケット部に所属しながら、日曜日になると先輩の誘いで葉山鐙摺港でNHKひょっこりひょうたん島のディレクター所有のクルーザークルーを経験しました。セールを張り、風に向かってどこまで上って行けるか、実にすがすがしい限りでした。そんな事も有って造船所に就職し大型本船の機関部機装設計を選択しました。船の心臓部である機関室は様々な機械の組み合わせで、全てを系統だてる系統図が設計の基本です。様々な国の建造時のルールが有り、そのルールに則って設計して行きます。すべて英語でしたのでなんとなくその世界に入り込んで行きました。

 何年かするうちに外国船担当のコーディネーターに指名され、イギリス船籍の取り纏め窓口になりました。仕事のみではなく休みにはプライベートで船主の方と観光も楽しみ、より親密な関係を築く事が出来ました。ここでこの仕事を通して船と言う大きなもの作りの凄さと営業も勉強し、また進水式と言う感激を味わうことが出来、自分の心の中にもの作りこそ自分の天性だと言う事が刻まれました。

 しかし更にその後、もっと面白い職業感を知る人生が待っていたのでした。結婚を機に家内の実家を手伝う事になりました。小さな工場でしたが鋳造部門、専用機部門を主体に業務が行われていました。鋳造部門では日本でも名前が広く認知されていました。専用機部門ではグループに当時では日本で最初にトランジスタサーボを開発した会社が有り、それと融合させて精密位置決めの出来る装置を作りました。それこそが現在のロボットシステムインテグレーターの創始でした。約40年近く前、この時代はものを移動させるローダーは全て専用機設計でした。対象物が変わるごとに再設計して作っていました。その時に多関節ロボットの存在を知りました。当時のロボットはボールねじとサーボモーターを組み合わせたものや、油圧で作動させるものなどが有りましたが、やはりこれからは電動化であると確信して安川電機様のティーチング教室の門を叩きました。当時何も知らない現場色の強いSE部隊10名程に勉強してもらいました。帰社後素人のロボットティーチング集団を作り、さらに設計を組み込んで他社には無い組織「ロボットシステムインテグレーター」の始まりでした。様々なお客様から「こんなものが出来ないか」と言う問い合わせがたくさん舞い込んできました。ロボット単体では何の仕事もできません。ロボットに仕事をさせるための手を、目を、足を付けて、さらには周辺の専用機を作り、組み合わせてラインを構成して行きます。そこで初めてお客さの要望する生産機械が出来上がるのです。

 次にダイカストマシンと言うアルミ素材を溶融、射出、凝固で自動車のエンジン部品などを作る業界に参入し、更に液晶ガラス基板の検査等で液晶産業に参入しました。これらは全くのゼロからの業種参入でした。特に液晶はまだ家庭のテレビなどにはなっていない頃でモニター専用でした。ここで台湾が主戦場になり、これが私の世界観を大きく変えてくれました。更に日本は世界に羽ばたいてゆくことになるのですが、その原動力になったのがロボットでした。しかし海外のロボットメーカーも指をくわえてみているわけは有りません。特に中国では百社以上のロボットメーカーが勃興・消滅を繰り返して技術研鑽しています。いつまでも日本のロボットが世界を席巻できるものでは有りません。しかし世界に輸出されたロボットの優秀さとそれを使いこなすシステムインテグレーター(SIer)がしっかりと手を組めば更に日本のロボットの優位性は維持できると信じています。使いこなしの技術が日本のロボット産業を牽引して行くことは間違いないと思います。更に今後CPS(サイバー・フィジカルシステム)の世界で日本が優位性をとれると信じています。ソフトでは勝ち目は有りませんが、日本の強みをDXの世界で勝ち取ることです。

 こんな面白い仕事、楽しい仕事、社会に役立つ仕事、若い人に夢を抱かせる仕事は無いだろう。

 

 

 

 

プロフィール
1981年 三明機工入社
1981年 設計部課長就任
1986年 製造部部長就任
1991年 常務取締役就任
1997年 代表取締役社長就任 現在に至る

 

日本ロボット工業会副会長
FA・ロボットシステムインテグレーター協会会長
日本鋳造協会機材部会・国際部会役員
日本ダイカスト協会会員
アマダ静岡県シートメタル工業会元会長(平成10年~18年)

 

趣味特技

 

 

【ロボットシステムインテグレータとは】

 ロボットシステムインテグレータとは、ロボットを中心としたシステムを構築する職業です。産業用ロボットは半完成品といわれ、ロボットだけで利用することは基本的にできません。モノをつかむハンドの部分をつかむモノにあわせて考案したり、搬送装置やストッカーなどのさまざまな周辺装置と組み合わせたりしてロボットシステムを構築することとなります。お客様の要望を理解した上で、さまざまな装置を組み合わせお客様にぴったりのシステムを考え出して提供するというとてもクリエイティブな仕事です。これまでにない新たな工程を自動化したり、限られた予算で最大のコストパフォーマンスを発揮させたりと、独自のアイデアを持って新たなチャレンジをする仕事となります。また、メーカー企業で働く方の多くは製品の一部分を設計・製作することとなり製品の全体像がみえにくくなりますが、ロボットシステムインテグレータはシステムの設計から製作、納品まで一貫して関わることが多く達成感が大きい仕事であるとの声も良く聞かれます。

 それでは、ロボットシステムインテグレータに必要な知識・技能はどのようなものになるでしょうか。ロボットシステムを導入する企業の業種は無数にあり、導入対象工程もさまざまです。また、ロボットシステムの構築には、設計から製作、据付、保守まで幅広い工程があります。そのため、機械設計、電気、制御、情報といった知識の他、生産システム、安全、経営、法律など幅広い知識が必要となります。これらを1人で修めることは不可能なので、必然的に他の仲間との協働が必要となり、コミュニケーション能力も求められることとなります。もちろん専門知識があればそれは大きな武器となり、自分独自のアイデアを込めたシステムを提案できることとなります。今みなさんが学んでいる分野がどのようなものであれ(文系であっても構いません)、明日の日本を担うロボットシステム構築につながりますので、是非、ロボットシステムインテグレータという職業をみなさんの将来の職業の選択肢に加えていただければと思います。

 

【さらに詳しくロボットシステムインテグレータを知りたい方へ】

<動画>
〇ロボットに命を吹き込む仕事(経済産業省製作)
 https://www.farobotsier.com/kanto/index.html
〇ロボットSIerチャンネル(SIer協会製作)
 https://www.youtube.com/channel/UC34QuVj6tLuLq_hc04XM4Xg

<まんが>
〇マンガでわかる!ロボットSIer
 https://my.ebook5.net/ROBOT-SIER/COMIC/

<サイト>
〇FA・ロボットシステムインテグレータ協会
 https://www.farobotsier.com/
〇ロボット活用ナビ
 http://www.robo-navi.com/

 

【教授・教員・教育関連の皆様へ】

FA・ロボットシステムインテグレータ協会では、ロボットシステムインテグレータの魅力を伝える出前講座(無料)を行っております。詳しくは事務局まで。
https://www.farobotsier.com/kisokoza/doc/SIerSeminarForSchool

 

【本連載の提供元】

FA・ロボットシステムインテグレータ協会
〒105-0011 東京都港区芝公園3-5-8
TEL 03-3434-2919 FAX 03-3578-1404
担当:高本