SEARCH
MENU

連載「ロボットシステムインテグレータの魅力」第3回 株式会社HCI 幸せとは?楽しいと思える仕事を絶え間なく続けること


この連載は、FA・ロボットシステムインテグレータ協会(SIer協会)が提供させて頂きます。ロボットシステムインテグータ(SIer)は、ロボットを使ったシステムを構築し種々の産業の自動化を実現する職業です。この連載ではSIerの世界で活躍されている皆さんにロボットシステムインテグレータという職業の魅力を語って頂きます。これを機会に皆様にSIerの世界を広く知って頂ければ幸いです。

 

連載「ロボットシステムインテグレータの魅力」第3回 株式会社HCI
【幸せとは?楽しいと思える仕事を絶え間なく続けること】
株式会社HCI 代表取締役社長 奥山剛旭

人生は長いようで短い。
人生において、就寝と共に長い時間を拘束される『仕事』を、どの『仕事』にするかは、人生を決めると言っても過言ではない。
皆さんは『仕事』を考える上で、同時に『幸せ』とは何かを真剣に考えたことがあるだろうか?
人は生まれてから必ず死ぬ。死ぬことを前提に生きているわけである。
となれば、まだ、自分は死んでいないが、『幸せ』とは?死ぬ手前の何時間前、いや何分前に「ああ、いい人生だった」と思えることが「幸せであった」と言えるのだと確信している。
そのためには、『幸せ』だと思える日々を繰り返していかなければならなく、あらゆるマイナスに直面してもプラスに変える思考回路を持ち、人生を賭けることができる職業に巡り合うことが大切だと考える。 自分の大学生時代は、夏は海!、冬はスキー!、春・夏はテニス!と、とてもアクティブに(笑)、とても楽しく、そして、人生について多くのことを学んだ。そして就活に挑んだ時、どの企業にいくか?ではなく、何がしたいか?にフォーカスし、子供の頃から絵画教室に通わせていただいていたほど絵を描くことが好きであった自分は、絵を描き稼げる仕事をしたいと考え、専攻していた材料化学から畑違いの、機械設計という職業を選択し、社長になりたいという子供の頃からの夢をかなえるべく、小さな某機械メーカーへ就職し、多くを学んだ。 そこで8年間学んだ後、ご縁があり、ケーブル・ワイヤーを製造する製造装置メーカーであり、検査する検査装置メーカーとして起業し、念願の社長になった。自社開発した独自の製造・試験装置は標準機としてラインナップし、カタログから受注生産を行えるようにした。その頃はテレビ付きガラケー携帯電話が世に出ようとした時で、自分達が開発したオンリーワンの撚線機でその中に入る髪の毛よりも小さいケーブルによるワイヤーハーネスの需要に応えることができ、ニッチな業界内のヒット商品となった。自分にとって、会社にとって、最善の船出たなったが、ロボットシステムインテグレータになろうと考えたのは、リーマンショックがきっかけである。リーマンシヨックとなり、世界の閉塞感があらゆる需要を下げ、ケーブル・ワイヤーというインフラ事業のような業種でも設備投資に対する購買意欲が低下し、弊社のヒット商品が売れないという事態が起きた。しかし、そのような時に、自分はあることに気が付いた。それは、「こんな世界恐慌時でも売れるものは売れる!」ということ、そして、自分達ができること、楽しいと思えることを兼ね合わせ、考えに考え抜き、辿り着いた終着点がロボットシステムインテグレータだった。 自分は言わずと知れたガンダム世代で、学生の頃からガンプラを長蛇の列の中、並び、買い、作ってきたが、いつか本物を創りたいと目を輝かせていた一人で、ロボットが大好きであった。産業用機械メーカーとして培った技術、つまり、機械設計や電気設計、部品製作から組立、盤製作からデバックと多岐におけるスキル、そして、撚線機という高速で回転する装置の軸受やあらゆる箇所をミクロン単位で仕上げ、制御してきた自分達にとっては、ロボットシステムインテグレータは言わば王道であった。ロボットシステムの可能性は無限である。50年前、自動車産業の自動化設備としてスタートした産業用ロボッットシステムは、もはやFA(ファクトリーオートメーション)の担い手として工場に留まるだけでなく、あらゆる業界に拡がりをみせている。医療業界、飲食業などのサービス業など、コロナ禍によりその勢いは加速化している。人と人との接触機会を減らし、人手不足問題の問題解決手段としてロボットシステムは最も有効的な手段なのだ。正にこれこそ「パンデミックでも売れるものは売れる」であり、「人が人として人を助けることができる、お役にたてる仕事」ではないかと考える。 ロボットシステムは無限であると自分が先にも述べたが、これからのロボットシステムは、サイバー(仮想空間)とフィジカル(現実空間)を兼ね備えた『サイバーフィジカルシステム』で、ニッチグローバルを推進すべきと考える。日本はサイバーにおいて圧倒的に海外勢に負けたと言わざる終えない、しかし、日本は産業用ロボットの生産は世界一位であり、フィジカルでは世界に負けていない。フィジカルは自動車産業のエンジンのように技術の確立に時間がかかるが、日本はそれを有しているため、AI、IoTなどのサイバーを高め、サイバーフィジカルシステムで世界を牽引をすることができる、その担い手がロボットシステムインテグレータである。これほど楽しいと思える職業は無いが、逆に、これほど泥臭く、己を高め、地道に一つのシステムを作り上げていかなければならない職業であることもお伝えしておく。 弊社は来年より、社食でロボットシステムを採用し、オーダーシステムや決済システムまでを含めた社食システム兼、一般の人も利用ができるロボットカフェなるものをシステムの箱として、日本に、世界に提案しようとしている。こんなワクワク感を絶え間なく続けていき、ガラケー携帯を自社開発の撚線機で下支えした時のようにこれからも歴史に残る仕事で社会に貢献していく。

 

飲料自動陳列(品だし)ロボットシステム

 

 

●プロフィール
1994年 大学卒業・某機械メーカーに入社・技術部機械設計課に配属
2000年  技術部管理職を歴任 ※取得・発明した特許4件
2002年 某機械メーカーを退職・有限会社 克己クリエイトを創立し、代表取締役に就任
2006年 有限会社克己クリエイトを 株式会社 HCIに組織変更、代表取締役社長に就任
2014年 『東久邇宮文化褒章』を受賞 ※取得・発明した特許3件
2018年 一般社団法人 HCI-RT協会 を設立し、代表理事に就任 同年 泉大津AI研究会 を設立し、会長に就任、FA・ロボットシステムインテグレータ協会幹事、広報分科会主査に就任 近畿経済産業局より委託を受け、泉大津商工会議所に HCI ROBOT CENTER を開設する。
2020年 11月 商業施設アルザタウン泉大津に、HCI ROBOT・AI LAB を開設する。
2021年 FA・ロボットシステムインテグレータ協会副会長に就任

 

●趣味特技
サッカー観賞(学生時代は中学・高校とサッカー部員でした、勿論、ガンバ大阪、セレッソ大阪のファン)、野球観賞(小学生時代はソフトボール部員で、阪神、オリックスが大好き)
絵画・映画鑑賞
多くの人との出会いとご縁から各地を飛び回り、懇親会も大好き
そして、大阪人特有の人を笑わせることが趣味(笑)
…しかし、頭の中では、いつも新たなロボット・AIシステムを考えているような仕事大好き人間。

 

【ロボットシステムインテグレータとは】

 ロボットシステムインテグレータとは、ロボットを中心としたシステムを構築する職業です。産業用ロボットは半完成品といわれ、ロボットだけで利用することは基本的にできません。モノをつかむハンドの部分をつかむモノにあわせて考案したり、搬送装置やストッカーなどのさまざまな周辺装置と組み合わせたりしてロボットシステムを構築することとなります。お客様の要望を理解した上で、さまざまな装置を組み合わせお客様にぴったりのシステムを考え出して提供するというとてもクリエイティブな仕事です。これまでにない新たな工程を自動化したり、限られた予算で最大のコストパフォーマンスを発揮させたりと、独自のアイデアを持って新たなチャレンジをする仕事となります。また、メーカー企業で働く方の多くは製品の一部分を設計・製作することとなり製品の全体像がみえにくくなりますが、ロボットシステムインテグレータはシステムの設計から製作、納品まで一貫して関わることが多く達成感が大きい仕事であるとの声も良く聞かれます。
 それでは、ロボットシステムインテグレータに必要な知識・技能はどのようなものになるでしょうか。ロボットシステムを導入する企業の業種は無数にあり、導入対象工程もさまざまです。また、ロボットシステムの構築には、設計から製作、据付、保守まで幅広い工程があります。そのため、機械設計、電気、制御、情報といった知識の他、生産システム、安全、経営、法律など幅広い知識が必要となります。これらを1人で修めることは不可能なので、必然的に他の仲間との協働が必要となり、コミュニケーション能力も求められることとなります。もちろん専門知識があればそれは大きな武器となり、自分独自のアイデアを込めたシステムを提案できることとなります。今みなさんが学んでいる分野がどのようなものであれ(文系であっても構いません)、明日の日本を担うロボットシステム構築につながりますので、是非、ロボットシステムインテグレータという職業をみなさんの将来の職業の選択肢に加えていただければと思います。

 

【さらに詳しくロボットシステムインテグレータを知りたい方へ】

<動画>
〇ロボットに命を吹き込む仕事(経済産業省製作)
 https://www.farobotsier.com/kanto/index.html
〇ロボットSIerチャンネル(SIer協会製作)
 https://www.youtube.com/channel/UC34QuVj6tLuLq_hc04XM4Xg

<まんが>
〇マンガでわかる!ロボットSIer
 https://my.ebook5.net/ROBOT-SIER/COMIC/

<サイト>
〇FA・ロボットシステムインテグレータ協会
 https://www.farobotsier.com/
〇ロボット活用ナビ
 http://www.robo-navi.com/

 

 

【教授・教員・教育関連の皆様へ】

FA・ロボットシステムインテグレータ協会では、ロボットシステムインテグレータの魅力を伝える出前講座(無料)を行っております。詳しくは事務局まで。
https://www.farobotsier.com/kisokoza/doc/SIerSeminarForSchool

 

【本連載の提供元】

FA・ロボットシステムインテグレータ協会
〒105-0011 東京都港区芝公園3-5-8
TEL 03-3434-2919 FAX 03-3578-1404
担当:高本