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RSJ2022オープンフォーラム9「女性ロボット研究者・技術者ってどんな人?!--多様な専門や年代の女性研究者・技術者が歩んできた道をシェアしよう--」開催報告


日時:2022.9.9 (金) 13:00-15:00
場所:第40回日本ロボット学会学術講演会会場(東京大学6号館62講義室,オンラインのハイブリッド)
主催:日本ロボット学会_学会価値委員会_ジェンダー対策WG
オーガナイザー:上田悦子(大阪工業大学)
参加者:会場16名,オンライン72名(登録者数)


本オープンフォーラム(OF)は,ロボットに関する仕事の魅力や楽しさを伝えることと,ロボットの仕事と家事・育児の両立が可能であることを,パネリストの体験を交えてお伝えすることを目的として,日本ロボット学会の学会価値委員会_ジェンダー対策WGが中心となって開催しました.
現地参加と,オンラインの参加が可能なハイブリッドで開催し,Google Formsを利用して事前アンケートおよび当日のオンラインからの質問を受け付けました.


当日のアジェンダは以下の通りです.

  1. 開催趣旨,アジェンダの説明
  2. パネリストからの自己紹介を含む話題提供や質問
  3. 会場からの質問
  4. 事前アンケートからの質問
  5. クロージング


パネリスト:
植木美和さん(富士通株式会社)
星野由紀子さん(川田テクノロジーズ株式会社)
Venture Gentiane先生(東京大学)
東風上奏絵先生(東京大学)
小嶋麻由佳さん(東京大学大学院)



オーガナイザー(上田先生)とパネリスト(小嶋さん,東風上先生)



パネリスト(植木さん,星野さん,ベンチャー先生)


最初に,オーガナイザーの上田先生から,本日のOFの趣旨やアジェンダ,質問などの参加方法の説明がありました.次に,5人のパネリストから自己紹介を兼ねた話題提供として,研究内容の紹介や,どのようなライフイベントを経験されてきたか,また,過去または現在進行形で抱えている不安や聞きたいことなどをお話しいただきました.
その後は,会場からや事前アンケートの質問をもとに,参加者を含めた活発な意見交換が行われました.


意見交換の内容を一部ご紹介します.


【質問・意見】
Q:博士課程に進んだ女性が周りにおらず誰に相談したら良いか
A:学会などを通じて他の分野の方へ幅を広げて話し相手を探した.男女の差を気にせず男性にも相談した.


Q:就職とアカデミックで進路をどう決められたか
A:まずは自分のやりたいことがどこでできるかを考えると良い.アカデミックは自由度が高い一方で生き残りの難しさがあり,企業はパワーがある一方でプロジェクト終了もあり,一長一短.


Q:独身でアカデミックにおられる方の例や,失職時の不安について
A:アカデミックでも人それぞれで独身の方は一定数いる.企業は,年齢性別に関わらず,役割に応じて中途採用あり.


Q:子供の頃にロールモデルがいたか
A:子供の頃に明確な女性のロールモデルがいたというパネリストはなし.男女関係無く,気付かぬうちに影響を受けた方はいたように思う.


Q:結婚,出産,育児のタイミングや,キャリア形成との両立への不安について
A:大きく生活が変わるのは,結婚ではなく出産・育児.タイミングを図ろうとしても,人生色々なことが起こるのでそう思った通りには行かない.育児休職から復帰した際,不安に思っていたほど問題は無かった.


Q:子育て中の方へのケアについて
A:子供の病気で仕事を休む場合などに,職場で気軽に話せる雰囲気作り,長い目で見てお互い様とサポートし合えることが大事.


Q:工学系に進む,特に博士課程以上に進む女性が極めて少ない理由について
A:社会のバイアスの問題が未だに世界的にある.高学歴女性は結婚に不利と言う人も.調査によると,そもそも女性の理系教員がいないなど,教員の影響が大きい.長期的に改善を図っていく必要がある.


Q:女性であることで,不利益を被ったことがあるか
A:キャリアに関わることでは無し.仕事の係の分担などで,納得いかない経験があった.必ずしも女性だけではないが,苗字が変わることはキャリア上不利と成り得る.


この他にも,パネリストのライフイベントに対する突込んだ質疑応答などあり,参加者の関心の高さ,切実さが伺えました.



会場の様子.女性だけでなく男性も参加.


最後に,日本ロボット学会の村上会長とオーガナイザーの上田先生からのクロージングメッセージで閉会となりました.


村上会長:今,女性を増やしたい組織が増えており,少数派の工学系の女性にはチャンスの状況にあります.本OFの活動を通じて生成されるコミュニティも利用して,ぜひチャンスをうまく掴んでいって欲しい.こうした積み重ねがいずれ,工学系に進む女性がいることを普通にすると期待しています.


上田先生:本OFを第一ステップとして,困っていることを気軽に相談できるコミュニティを育てていきます.今後,オンライン座談会や,中・高校に対するイベントなども企画中ですので,ぜひご参加ください.


参考資料

本OFの話題を検討するため、事前アンケートを実施いたしました。アンケート結果を掲載します。

 

 

 

 

 

 

 

加えて、OF終了後に参加者アンケートを実施いたしました。アンケート結果を掲載します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以上