第139回ロボット工学セミナー実施報告書
ロボットの作り方~移動ロボットの基本と ROS によるナビゲーション実習~
日時:2022年1月29 日(土)10:00~16:30,1月30日(日)10:00~16:30(2日間)
会場:新型コロナウイルス感染症の状況を受け,オンラインでの実習(Zoomウェビナー)
参加者数:59名(30グループ)
オーガナイザー:ガルシア グスタボ(立命館大学),野口宏明(パナソニックアドバンスドテクノロジー(株))
サブオーガナイザー:禹ハンウル (東京大学),片岡大哉(株式会社ティアフォー)
セミナー概要
本セミナーでは,移動ロボットの研究を始めようとしている学生,研究者,企業の方を対 象に,ROS (Robot Operating System)をベースとし,LiDAR,3 軸ジャイロセンサ,3軸加速度センサ,3軸磁気センサを搭載した(株)ロボティズ社のTURTLEBOT3 Burger を利用したロボットの動作やナビジェーションプログラム作成を体験していただきました.また,2人の講師を招き,ROSのパッケージ及び移動ロボットのナビゲーションに関する理論について講演していただきました.
セミナー内容とスケジュールは以下となります.
1日目(1/29(土) 10:00-17:00)
10:00-10:30 | セミナーの進行につきまして |
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10:30-12:00 | セミナー環境の確認とLinuxの基本操作とROSの基本操作 |
12:00-13:00 | 昼休み |
13:00-14:00 | 講義1「自己位置推定ROSパッケージの作り方」講師:上田 隆一 (千葉工業大学) |
14:00-17:00 | 移動ロボットの動作確認 |
2日目(1/30(日) 10:00-16:00)
10:00-11:00 | 講義2 「移動ロボットのための自己位置推定の基礎とその実装」講師:赤井 直紀 (名古屋大学) |
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11:00-12:00 | ROSを用いたマップ取得 |
12:00-13:00 | 昼休み |
13:00-14:30 | マップを利用したナビゲージョン操作1 |
14:30-15:30 | マップを利用したナビゲージョン操作2 |
15:30-16:00 | 課題と質疑 |
講義1「自己位置推定ROSパッケージの作り方」
上田 隆一 (千葉工業大学)
- ROSのemclパッケージについて
- ROSパッケージの作成手順について
- ソフトライセンス
- 著作権
- ソフトウェアテスト OSSとして公開しても,テストしておかないと使ってくれない
- emclの実演
- README記述
- まとめ
講演資料URL : https://b.ueda.tech/?post=20220129_rsj_seminar
講義2「移動ロボットのための自己位置推定の基礎とその実装」
赤井 直紀 (名古屋大学)
- 自己位置推定とは
- 自己位置推定とSLAM
- 自己位置推定の定式化
- 観測モデル
- 動的環境下での自己位置推定
- まとめ
実習「ROS によるロボット操作実習」
野口宏明,ガルシア グスタボ
Zoomのリアクション機能やチャット機能を使用して各グループの作業の進捗状況を常に確認することにより,可能な限り全てのグループの作業完了を確認してから,次の作業に移る形式で実習を行った.ロボットが意図しないなどのトラブルが発生した場合はブレイクアウトルームにて,アシスタントが対応することにより,スムーズな講義の進行を行えた.
- 講習環境の確認とROSの基本操作
- 移動ロボットの動作確認
- ROSを用いたマップ取得
- マップを利用したナビゲージョン操作
- 障害物認識と回避
セミナーの振り返り
- 事前準備資料をセミナー前に配布し,セミナー中に対応困難なネットワーク接続を十分に確認した上で参加してもらった
- VirtualBoxやDockerなどの仮想環境に起因するトラブルへの対応は困難である旨を事前通知し,自己責任で参加してもらった
- 参加者が躓く可能性が高い実習に関しては詳細な説明を資料に記述
- 以上により,昨年度より参加者数が多く,アシスタントが少ないにも関わらず,ほぼ時間通りに講義を進行できた
- セミナーの間,オーガナイザーとアシスタント・運営側との情報共有(スケジュール管理,トラブル情報など) は SLACK を利用
- チャット機能の活用により,参加者のトラブルや質問に対して,随時対応することできた
- トラブル対応について
- ブレイクアウトルームをグループ ごとに事前に作成
- トラブルが発生次第,該当するブレ イクアウトルームに異動してもら い,対応可能なアシスタントが対応
- 対応が困難だったトラブルは,TurtleBot3BurgerのHW不具合に起因するトラブル
- リモートPCとTurtleBot3の環境変数設定に関するトラブルが多い印象
謝辞
まず,ご講演をご快諾いただいた,上田様(千葉工業大学)と赤井様(名古屋大学)に厚く感謝申し上げます.積極的にセミナーに参加していただいた参加者の皆様にも感謝申し上げます.また,ロボットの手配やセミナー当日にも積極的にサポートしていただいた柴田様(ロボティズ),サブオーガナイザーの禹 様(東京大学), 片岡様(ティアフォー)にも大変お世話になりました.心より感 謝申し上げます.最後に,企画・運営におきましては,事業計画委員会の皆様をはじめ,ロ ボット学会事務局の水谷様,村上様にも大変お世話になりました.厚く御礼申し上げます.
野口 宏明(パナソニック アドバンストテクノロジー)