活動目的
我が国の人型ロボット研究における技術水準の向上、組織を超えて忌憚なく議論できるコミュニティの育成、真に有用な人型ロボット開発を追求する機運の醸成を目的とし、次の活動を行う。
- 委員間の勉強会(年4回程度)、重要と思われる研究発表の輪読 or 発表者ご本人を招待したセミナー
- 委員による初学者向け基礎セミナー&中級~上級者向けセミナー(ヒューマノイド・ロボティクス夏の学校)
- 勉強会およびセミナーの内容を含む学術誌特集号企画、テキスト発刊
- 学会員向けチャレンジプログラム企画、研究用プラットフォームや共用実験フィールドの検討
- コミュニティメディアの運営(ヒューマノイド・ロボティクス・コンソーシアム)
メンバー
- 杉原知道(オムロン株式会社) 委員長
- 森澤光晴(産業技術総合研究所) 副委員長
- 橋本健二(早稲田大学) 副委員長
- 鮎澤光(産業技術総合研究所)
- 小澤隆太(明治大学)
- 上岡拓未(オムロン株式会社)
- 神永拓(産業技術総合研究所)
- 玄相昊(立命館大学)
- 田原健二(九州大学)
- 野沢峻一(株式会社MUJIN)
- 田﨑勇一(神戸大学)
- 中西淳(名城大学)
- 舛屋賢(宮崎大学)
- 水内郁夫(東京農工大学)
- 室岡雅樹(産業技術総合研究所)
- 山本江(東京大学)
- Gentiane Venture(東京大学)
2022年度活動実績
- 2022.11.18 第14回勉強会(Zoom) 主な議題:Sum of Squaresを用いた接触遷移運動の制御(田崎委員)
- 2022. 9.12 第13回勉強会(Zoom) 主な議題:弾性体を活用する身体構造(上岡委員)
- 2022. 9.10 2022夏の学校(東京大学本郷キャンパス)
- 2022. 9. 6 第40回日本ロボット学会学術講演会オーガナイズドセッション「人型ロボットの共創に向けた活動」(東京大学本郷キャンパス)
- 2022. 8.26 第12回勉強会(Zoom) 主な議題:多点接触による移動(小澤委員)
- 2022. 6.30 第11回勉強会(Zoom) 主な議題:MIT Mini Cheetahのアクチュエータ(橋本副委員長)
- 2022. 6.14 第18回会合(WebEx) 主な議題:第40回日本ロボット学会学術講演会オーガナイズドセッションおよび2022夏の学校内容検討
- 2022. 5.26 第10回勉強会(Teams) 主な議題:強化学習による二脚歩行制御(森澤副委員長)
- 2022. 4.13 第9回勉強会(WebEx) 主な議題:包摂アーキテクチャと積層変調アーキテクチャ(杉原委員長)
- 2022. 3.12 Humanoid Virtual Athletics Challenge Main challenge
- 2022. 3.11 第17回会合(WebEx) 主な議題:Advanced Robotics特集号、Humanoid Virtual Athletics Challengeについて、今後の勉強会開催方法について
主な活動内容報告を下に記す。
第40回日本ロボット学会学術講演会オーガナイズドセッション
「人型ロボットの共創に向けた活動」という題目でオーガナイズドセッションを行った。「実用的な人型ロボットの実現を志す技術者が、それぞれに独自の技術を守りながら知恵を出し合い共創する仕組みの構築」を目指し、様々な試みを主導されているキーパーソン3名にご活動をご紹介頂いた。 その後、今後の展望をパネルディスカッション形式で論じて頂いた。具体的な講演内容は次の通りであった。
- 講演1: ヒューマノイドの社会的価値についての考察 柚木崎創(川崎重工)
- 講演2: 千葉工業大学におけるロボカップを通じたヒューマノイドロボット開発 林原靖男(千葉工大)
- 講演3: Humanoid Virtual Athletics Challengeを通じた人型ロボットのシミュレーション・制御手法の共創 田崎勇一(神戸大学)
産学官幅広い組織やキャリアの参加者が集まり、ディスカッションも活発に行うことができた。人型ロボットへの関心がまだ高いと実感できた。共創の方法をダイレクトに提言するまでには至らなかったが、紹介された活動への参加を希望する人も現れ、良い機会をご提供できたと考える。委員会の今後の活動への大きなフィードバックともなった。
ヒューマノイド・ロボティクス2022夏の学校
夏の学校を3年ぶりに現地開催した。第40回日本ロボット学会学術講演会の翌日に、東京大学本郷キャンパス工学部2号館講義室をお借りして行い、遠方からの参加をしやすくした。委員会外から特別講師を3人お招きしての講義、ならびに受講者による発表と、全体でのディスカッションを行った。講義内容は、基本に立ち返る意味で次のようにした。
- 講義1: 非平滑力学へのお誘い 菊植亮先生(広島大学)
- 講義2: ヒューマノイド動作計画 吉田英一先生(東京理科大学)
- 講義3: HRPシリーズヒューマノイドロボットの設計開発 金子健二先生(産業技術総合研究所)
参加者は69名であった。受講者からの発表は、東北大学多田隈建二郎先生、広島大学Zhang Yachen氏、川崎重工掃部雅幸氏がされた。ディスカッションも60分間白熱したまま終えられた。
Humanoid Virtual Athletics Challenge
田崎委員が主企画者となり、人型ロボット研究者ならびに学生間の技術情報交換促進を目的とし、シミュレータ(Choreonoid)上で仮想アスレチックフィールドの踏破を試みる競技会を開催した。内容ならびに開催次第は次のウェブページにて公開している。https://ytazz.github.io/vnoid/
3月12日にMain challengeをオンライン開催し、9チームが参加した。大学の研究室単位でのチーム、企業開発チーム、個人など、参加形態は多様であった。結果は次のウェブページにて参照できる。https://ytazz.github.io/vnoid/index2021.html
上位チームは、最先端の技術を使いこなしレベルの高い試技を披露した。一方、分野に参入したばかりの初学者が基礎を学ぶ場ともなった。競技後の発表や情報交換を通じて、参加した全員がさらに技術水準を向上することにも繋がった。
これを受けて、第2弾の企画を実施した。決まった日に一斉に試技するのではなく、期限を決めて参加者がめいめいシミュレーション上で行った試技のログをアップロードする方式に変えた。競技内容も3種類(アスレチックフィールド、短距離トラック、自由形式パフォーマンス)に増やした。これらの結果を踏まえて、次項のTutorialを行う。
2022 IEEE-RAS International Conference on Humanoid RobotsでのTutorial
田崎委員、杉原委員長、上岡委員がオーガナイザとなり、2022 IEEE-RAS International Conference on Humanoid Robots(11月28~30日開催)において”Challenge-Driven Learning of Humanoid Robot Control in Virtual Environments”というチュートリアルを行う。次第は次の通りである。
- Seminar 1: Yuichi Tazaki
- Seminar 2: Tomomichi Sugihara
- Seminar 3: Youhei Kakiuchi
- Talk1: Naoki Hiraoka
- Talk2: Taiki Ishigaki
- Talk3: Yuki Onishi
- Talk4: Masaki Murooka (remote)
- Talk5: Sotaro Katayama (remote)
- Seminar 4: Justin Carpentier (remote)
- Seminar 5: Stephane Caron (remote)
委員の勉強会
昨年勉強会を実施できなかったことから、担当者の準備負担を大きく減らす代わりに頻度を増やす方向で試験的に実施している。具体的には、各委員の担当月だけ先に決め、それぞれがそのタイミングで最も興味関心を持っている話題を手持ちの資料だけで提供する方式にした。その結果、8カ月で6回の勉強会を実施できた。話題も身体設計、機械学習、運動計算理論、行動アーキテクチャなど多岐に渡った。この方針を今後も暫く継続していく予定である。
2023年度活動計画
- 2023夏の学校の計画と実施
- Humanoid Virtual Athletics Challengeの実施
- 企業見学会の計画と実施
- 委員での勉強会3回以上実施
2022年11月24日
委員長 杉原知道