当委員会では本年度、以下の研究会,オープンフォーラムを開催(または共催)した.
- 2024/01/06 座談会「研究者の妊娠・出産・育児とキャリアについて語り合おう」
- 2024/08/07 MIRU 2024 ワークライフバランス企画 ~ だれもが自分らしい道を進めるように ~
- 2024/09/03 オープンフォーラム「だれもが自分らしい道を進めるように~育児と研究のワークライフバランス~」(日本ロボット学会ダイバーシティ推進委員会/MIRU2024ワークライフバランス委員会との共同開催)
- 2024/09/03 オープンフォーラム「 ROS Japan UG #56 研究教育におけるROSの活用」(ROS Japan Users Groupとの共催)
- 2024/09/03 オープンフォーラム「このロボットがすごい!2024」
- 2024/09/06 学術ランチョンセミナー「若手・学生のための査読勉強会」(ロボット勉強会(robosemi)運営会との共同開催)
また,日本ロボット学会誌42巻4号(2024年5月発行)の特集号「ロボット研究者と妊娠・出産・育児」の企画,寄稿をした.
本報告書では各行事について概要を説明する.
<座談会「研究者の妊娠・出産・育児とキャリアについて語り合おう」>
- 2024年1月6日(土)於:東京大学およびオンライン,参加者:12名
本座談会の内容は日本ロボット学会誌42巻4号の特集の巻頭記事として同タイトルで掲載されている.日本ロボット学会の会員の多くが属する工学分野の研究者と,医学系および社会教育学の研究者が参加し,特に妊娠,出産,育児とそれぞれの仕事との両立,共存の悩みを語った.単なる体験談にとどまらず,医学の専門的立場からの見解も示された有意義な議論となった.
<日本ロボット学会誌特集号「ロボット研究者と妊娠・出産・育児」>
当委員会の活動の目的に位置づけられる「研究者の多様なキャリア」について,見出しの切り口で研究者のワークライフバランスについて議論した.また,妊娠,出産,育児に関連する医学的な知見をそれぞれの専門家から寄稿いただいた.特集号がケーススタディだけに終始しないように解説,随想を配置した.本特集号は出版後,日本ロボット学会の会員のみならず他分野の多くの研究者からも興味を示す声が届き,1ヶ月ほどですべての記事がJ-STAGE上でオープンアクセスになった.ご尽力いただいた学会および理事会の皆様に感謝申し上げます.
J-STAGE: https://www.jstage.jst.go.jp/browse/jrsj/42/4/_contents/-char/ja
<MIRU 2024 ワークライフバランス企画 ~ だれもが自分らしい道を進めるように ~>
- 2024年8月7日(水)於:熊本城ホール,参加者:70名超
日本ロボット学会誌の特集号を受けて,画像の認識・理解シンポジウム・MIRU においてイベントを共催した.学会誌に寄稿した著者らが参集し,各々の体験談を踏まえて参加者の質問に答えるようなパネルディスカッションを実施した.また8月9日(金)にも同イベントの開催報告がなされ,その会場でも参加者の切実な質問が寄せられ,本テーマに寄せられる関心の高さを実感した.
MIRU2024 ワークライフバランスイベント: https://sites.google.com/view/miru2024wlb/
<学術講演会OF「だれもが自分らしい道を進めるように~育児と研究のワークライフバランス~」>
- 2024年9月3日(火) 於:大阪工業大学,参加者:約50名
MIRU2024におけるワークライフバランス企画の後編に位置づける形で,前イベントとは異なる登壇者によるケーススタディや,看護学・助産学からの知見,さらには社会問題に至るまで幅広く講演,議論された.
<学術講演会OF「 ROS Japan UG #56 研究教育におけるROSの活用」>
- 2024年9月3日(火) 於:大阪工業大学,参加者:約100名
ロボットシミュレーションおよび制御において活用範囲の広がるROSについて,学術研究および教育の場における活用事例を,出村公成氏,上田隆一氏,片岡大哉氏の3名の講演者に解説いただいた.出村氏と上田氏はロボット競技会に造詣が深く,学部生を含むチームにおけるロボット開発で活用されている具体例を紹介された.特に,開発スピード,システムの継承,維持管理コストなどの側面から分析された講演は多くの開発者,教育者にとって有益なものであった.片岡氏は企業で開発する自動運転技術におけるROSの活用事例および,オープンソースの利用方法について解説いただいた.個人利用も可能で,誰でも気軽に自動運転研究を始められるとのことであった.
ROS Japan Users Group: https://rosjp.connpass.com/event/327345/
<学術講演会OF「このロボットがすごい」>
- 2024年9月3日(火)於:AP大阪茶屋町,
- 参加者:123名(現地:47名,オンライン76名)
オープンフォーラムとして本年で10回目を迎える本企画は,今年度は3名の研究者に登壇いただいた.可食ロボットを開発する仲田佳弘氏,近接覚センサを開発しベンチャー企業を立ち上げた小山佳祐氏,民間企業で見守り介護ロボットを開発する袖山慶直氏の3名によるバラエティ豊かな講演会となった.
このロボットがすごい!2024:https://konorobo.main.jp/konorobo2024/
<学術ランチョンセミナー「若手・学生のための査読勉強会」>
- 9月6日(金)於:大阪工業大学,参加者:約100名
学術講演会の最終日の昼休憩時間に開催したランチョンセミナーには立ち見が出るほどの来場があった.IEEE RA-L のシニアエディタを務めるベンチャー・ジェンチャン氏と,Advanced RoboticsのEditor-in-Chiefを務めた細田耕氏による,査読および査読者の役割,効果的な査読などに関する講演をいただいた.論文を執筆する立場の多い学生にとっても,執筆者と査読者,さらには編集者の立場を取る若手・シニアの研究者にとっても,査読の持つ役割と学術界への貢献がよく伝わる内容であった.
ろぼやん: https://www.robo-young.jp
上記のオープンフォーラムおよびランチョンセミナーはオンラインでも配信され,また,その一部はアーカイブで公開している.