SEARCH
MENU

活動報告2024:ロボット性能評価工学研究専門委員会


ロボット性能評価工学研究専門委員会 活動内容レポート

当研究専門員会は、ロボットの性能比較や選定が標準的・工学的・客観的にできるようにロボットの標準的性能評価法策定のための工学的方法論を確立すること、さらにロボット性能評価を工学の新学術領域として開拓・確立することを目的としている。今期(2023年9月12日~2024年10月15日)は下記の活動を行った。


(1)2024年第1回研究会の実施 (2024年3月29日13:00~14:00)

2024年度の活動方針を決定する研究会をオンライン方式で開催した。今年度の委員会メンバーの確認と2023年度の活動報告を行い、その後、第2回研究会の日時や場所、ならびに第42回日本ロボット学会学術講演会のオープンフォーラムに企画を申し込むことを決定した。また、Advanced Roboticsの特集号の企画内容等に関する議論を行った。


(2)2024年第2回研究会の実施 (2024年5月31日13:00~15:00)

2024年5月29日~6月1日に開催された「ロボティクス・メカトロニクス 講演会 2024 in Utsunomiya」の会場において研究会を実施した。対面とオンラインのハイブリッド方式で開催し、25名の委員のうち20名が参加した。

まずは第42回日本ロボット学会学術講演会のオープンフォーラムの内容について議論した。オープンフォーラムのタイトルを決定し、プログラム案を作成した。今年度は新たな試みとしてオープンディスカッションを設けることとして、オープンディスカッションでの話題やテーマについて議論した。その後Advanced Roboticsの特集号の企画内容等に関する議論を行った。

最後に、委員からの話題提供として、新潟工科大学の大金先生より「タスクベースの性能評価による狭隘空間を飛行するドローンの定量的性能評価に関する研究」、製造科学技術センターの吉田氏より「ロボットのミッション型性能評価と性能評価工学の提案」と題した講演を行っていただき、その内容に関して議論した。


(3)オープンフォーラムの開催 (2024年9月3日17:00~19:00)

第41回日本ロボット学会学術講演会のオープンフォーラムを企画・開催した。学術講演会のホームページより開催概要を転載する。

-----------------------

  • OF20:ロボット性能評価工学 -ロボット性能評価の体系化を目指して-
  • 主催 (財)製造科学技術センター
  • オーガナイザー 木村哲也(長岡技術科学大学),佐藤徳孝(名古屋工業大学),阿部聡((財)製造科学技術センター)
  • 時間 17:00-19:00
  • 場所 会場5(2F 204教室)
  • 概要

様々なロボットの開発が進められています.開発されたロボットが広く利用されるためには,ロボットの有用性や課題が共有されることが必要です.そのためには,適切でタイムリィーな性能評価が重要であり,公平で工学的な裏付けがある性能評価プロセス,性能評価手法が求められます.本フォーラムでは,ロボット性能評価の取組み事例を紹介し,また,新たな学問領域としての「ロボット性能評価工学」の創成について議論を行います.今回,OF参加者がオープンに議論できる「オープンディスカッション」の時間を設けました.沢山の方のご参加と活発な議論を期待しています.
-----------------------

なお、ホームページには未掲載であったが、当日は以下のプログラムにてオープンフォーラムを行った。

-----------------------
17:00  開会
17:05~ 基調講演:「ロボット性能評価とイノベーション」 佐藤徳孝(名工大)
17:30~「ロボット性能評価工学とミッション型性能評価モデルの提案」 吉田利夫(MSTC)
17:55~「廃炉に向けたロボットの調査研究と性能評価」 岡田聡(日立GE)
18:20~ 休憩10分
18:30~ オープンディスカッション モデレータ:佐藤徳孝(名工大)、眞砂英樹(長岡技科大)
      会場参加のオープンな議論の場
テーマは、ロボットの開発、性能評価、社会実装などなど。
19:00  閉会
-----------------------

1件目と2件目の発表は当研究専門委員会これまで行ってきた活動に関連する発表であり、3件目の発表は、現場での性能評価に関する情報を提供していただきたいとのことで、日立GEの岡田氏に講演を依頼したものである。廃炉という困難な作業に対して、どう取り組み、その中でどう性能評価をしてきたかについて大変見識深いご講演をいただいた。特に、未知環境を対象とする際の性能評価の難しさについての内容が印象的であり、これはその後のオープンディスカッションでの主たるテーマの一つとなった。

今回新たに企画したオープンディスカッションでは、性能評価工学という学術領域開拓のために対象とするロボット分野を絞るか、絞るとすればどこから取り組むか、未知環境での性能評価の在り方、性能評価試験を行う場合の試験パラメータの暗黙知的な記録や論文への掲載、といった観点で非常に活発な議論を行うことができた。参加した委員の皆様、聴講いただいた方々の積極的な参加により盛況なオープンフォーラムとなった。


(4) Advanced Robotics 特集号の企画

Advanced Robotics側より特集号の企画依頼があり、それを快諾する形で特集号を企画した。最終的に決定したCFPを以下に掲載する。