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日本のロボット研究の歩みHistory of Robotics Research and Development of Japan2000Business〈企業の研究開発〉音によるモーションメディアコンテンツ流通技術


中山彰NTT研究所
岩城敏広島市立大学
町野保NTT研究所(元)
北岸郁雄NTT研究所(元)
奥平雅司NTT研究所(元)

この論文は、ロボット研究開発アーカイブ「日本のロボット研究開発の歩み」掲載論文です。

物理的実体の動きを、既存通信メディアであるテキスト・音・画像・映像の次に来る第5のメディア「モーションメディア」と捉えると共に、ロボットはこのモーションメディアの入出力端末の一種になり得ると提唱した。さらには、4つの既存メディアにより構成されるネットワークコンテンツと同様な文脈でモーションメディアを扱うことにより、「モーションメディアコンテンツ」のビジネス的価値とその流通の意義について考察した。このモーションメディアの概念を早期にかつ幅広く世の中に啓蒙するために、開発者は通信キャリア研究員の立場を生かし2000年、NTT-ISDN販促用ロボット(通称、メール読みマウス4)を初のモーションメディア端末として開発し、1万人のユーザ(10000台)に配布し実用に供した。このロボットは、パソコンのメール文章から喜怒哀楽に関する言葉を抽出し、その感情に見合うロボットモーション(首振り)を伴いながら、抑揚付音声合成で読み上げる機能を有する。このモーションデータを音声信号ベースで符号化し通常のアナログ音声ケーブルで伝送することにより、ロボットハードとアプリを極めてシンプルかつ安価に実現することに成功した。また開発者が作成・運営したモーションポータルにおいて、メール読みコンテンツだけではなく、ゲームやモーションエディター等様々な音声信号ベースのモーションメディアコンテンツをリリースし、幅広くユーザの利用を促進した。
このように本技術は、情報ネットワークから見たロボットの新たな価値を考えるきっかけを与えると共に、音という既存メディアを活用することでそのコンテンツ流通を促進する考え方を示した。

2007年 第12回日本ロボット学会実用化技術賞受賞

メール読みマウス4
メール読みマウス4