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日本のロボット研究の歩みHistory of Robotics Research and Development of Japan2004Business〈企業の研究開発〉サービスロボットenonの研究開発


内山 隆(株)富士通研究所
森田 俊彦(株)富士通研究所
沢崎 直之(株)富士通研究所
神田 真司(株)富士通研究所
村瀬 有一(株)富士通研究所
岡林 桂樹(株)富士通研究所
植木 美和(株)富士通研究所
中尾 学(株)富士通研究所
村川 賀彦(株)富士通研究所
境 克司(株)富士通研究所
姜 山(株)富士通研究所
陳 彬(株)富士通研究所
安川 裕介(株)富士通研究所
金岡 利和(株)富士通研究所
宍戸 徳一富士通フロンテック(株)
麻田 務富士通フロンテック(株)
松尾 浩一富士通フロンテック(株)
並河 豊富士通フロンテック(株)
山田 知弘富士通フロンテック(株)

この論文は、ロボット研究開発アーカイブ「日本のロボット研究開発の歩み」掲載論文です。

サービスロボットenonは、少子高齢化による将来の労働力不足を補うため、様々なサービス業務を代行する目的で開発されました。オフィスや商業施設などの不特定多数の人が行き交う公共の場で作業支援を行う実用的なロボットです。案内、搬送、巡回の基本機能を活用した多様な作業支援が可能であり、ショッピングセンタでの案内や商品紹介、オフィスでの受付・荷物搬送、さらに、計算機センタでの見回りなどに利用できます。さらに、ネットワークを使ってクラウドと連携し、離れた場所からの状況確認やお客さま対応、高齢者の見守りなど幅広い利用が可能です。enonでは、これらの支援作業の実現のために、3次元視覚処理に基づいた自律移動技術や人との自然な対話技術を開発しました。具体的には、①ロボット搭載可能な低消費電力で、高速な3 次元視覚処理ボードの開発、②3 組のステレオカメラによる3 次元視覚計測やレーザレンジファインダを使ったSLAM技術をベースとした環境認識および位置同定、それを使った走行制御技術、③公共施設など雑音が多い環境でも案内サービスができる音声対話技術、を開発しました。また、公共の場での安全性ために、本質安全を追求した設計を行いました。リスクアスセスメントによりリスク分析を行い、残存リスクと利益とのトレドーオフに基づいて設計を実験(HIC 試験など)により確認することでNPO 安全工学研究所の安全鑑定を取得しています。さらに、ロボットとのインタラクションに親和性の高い状態記述が可能なスクリプト言語や、ネットワークやFlash などの標準的GUIと連携できるミドルウェアの開発により、多様化するサービスアプリケーションを容易に構築できる仕組みを整備しました。博物館、ショッピングセンタなどの商業施設での案内業務、IDCセンタでの搬送業務などへの適用に実績があります。
サービスロボットenon
サービスロボットenon
荷物搭載の様子
荷物搭載の様子
サービスロボットenon
サービスロボットenon
enonの外観
enonの外観
ショッピングセンタでの案内業務
ショッピングセンタでの案内業務