日本のロボット研究の歩みHistory of Robotics Research and Development of Japan2002Business〈企業の研究開発〉インターネット対応型ロボット MARON-1
沢崎 直之 | (株)富士通研究所 |
神田 真司 | (株)富士通研究所 |
村瀬 有一 | (株)富士通研究所 |
安川 裕介 | (株)富士通研究所 |
岡林 桂樹 | (株)富士通研究所 |
植木 美和 | (株)富士通研究所 |
境 克司 | (株)富士通研究所 |
内山 隆 | (株)富士通研究所 |
池島 裕之 | (株)PFU |
村上 泰啓 | (株)PFU |
今井 秀和 | (株)PFU |
この論文は、ロボット研究開発アーカイブ「日本のロボット研究開発の歩み」掲載論文です。
将来、ロボットは人々の日常生活の一部で家庭の支援をするようになると予想されてます。
私たちは、このようなビジョンの初期段階として、家庭で利用することを想定したロボット、MARON-1を開発いたしました。MARON-1はインターネットを使って携帯電話と連携することができるロボットです。機能は以下の通りです。
(1)家電操作
MARON-1は赤外リモコンを搭載していて赤外受信器を持つ機器であるエアコンやテレビやビデオレコーダを操作できます。また、事前にセットした時間にビデオレコーダにコマンドを送信する等のタスクを実行できます。
(2)移動
ユーザは携帯電話で家の中を確認しながらコマンドを送信し、ロボットを所望の方向に移動させることができます。さらには、家のレイアウト情報を参照して障害物を避け、斜面や敷居の上を踏破しながら自律で目標の位置に移動します。
(3)ホームセキュリティ
MARON-1は侵入者を検知し応じることができます。不法侵入者を検知したらアラーム音を発し、事前に設定した電話番号に緊急通報をすることができます。
(4)ハンズフリー電話
MARON-1は頻繁に電話する相手の番号にワンタッチで電話できるようにしたダイヤルメモリーを装備しており、ハンズフリーの電話にもなります。
(5)カメラ
MARON-1は旋回可能なカメラを搭載していて周囲の様子を記録し携帯電話に送ることができます。ユーザはその画像を使ってロボットを移動指令することができます。
主要仕様は次の通りです。
形状:32×32×36cm
重さ:5.5kg
可動自由度:動車輪2個(左右)、クローラ1個、2方向カメラヘッド(パンチルト)
ユーザインタフェース:タッチパッド、メニューキー、ファンクションキー、LCDモニタ
マイクロフォン、スピーカ
可動時間:10H
MARON-1は2003年に日本にて限定販売されました。