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日本のロボット研究の歩みHistory of Robotics Research and Development of Japan1982Business〈企業の研究開発〉パーソナルマイクロロボット<ムーブマスタ>の開発


大西 良孝三菱電機(株) 産業システム研究所

この論文は、ロボット研究開発アーカイブ「日本のロボット研究開発の歩み」掲載論文です。

1.≪ムーブマスター≫の歴史
≪ムーブマスター≫は,教育・研究分野やホビー用途を対象とした卓上のパーソナルロボットとして1982年に誕生した[1]。最初に開発されたRM-101はステッピングモータを用いた5軸垂直多関節構造で,セントロニクス準拠のプリンタインタフェースを介して汎用のパーソナルコンピュータ(以下,パソコンと呼ぶ)に接続される。パソコンからコマンドを与えてロボットの動作を思いのままに制御できる同システムは,当時としては極めて斬新な着想であったと言える。
安価で使い易い≪ムーブマスター≫はパーソナルニーズに応えるロボットとして広く普及する一方で,簡単な軽作業を行う小型産業用ロボットへの要望も高まった。このため,DCサーボモータの採用による基本性能向上とプログラム機能の拡張を行ったRM-501が開発された。さらに,80年代末にはRV-M1,RV-M2とそのシリーズ機種が相次いで開発され[2],[3],≪ムーブマスター≫は全世界に2万台を超える実績を持つベストセラーロボットとなった。

2.開発思想
≪ムーブマスター≫の開発思想は単なる自動化・省力化機器の開発ではなく,人間との対話と共存を目指したものであった。その基本コンセプトである「人にやさしい」は,90年代に開発された≪ムーブマスター・スーパー Eシリーズ≫にも継承されており,生命感のある柔らかさを表現した外観デザインが基調となっている。
また,≪ムーブマスター≫の出発点である教育・研究用途への対応は,当社産業用ロボットの最新機種においてもEthernet版リアルタイム外部制御機能として実現されている。この機能によってパソコンとロボットコントローラの高速なリアルタイム通信が可能となり,現在の高度なロボット研究に最適な実験システムを構築することができる。