日本のロボット研究の歩みHistory of Robotics Research and Development of Japan1989Integration, Intelligence, etc.〈インテグレーション・知能ほか〉マニピュレータ制御用高速座標変換LSIの開発
亀山充隆 | 東北大学工学部 |
樋口龍雄 | 東北大学工学部 |
松本孝夫 | 東北大学工学部 |
江上秀樹 | 東北大学工学部 |
この論文は、ロボット研究開発アーカイブ「日本のロボット研究開発の歩み」掲載論文です。
ロボットマニピュレータ制御に不可欠な座標逆変換すなわち手先の位置・姿勢から各関節の変位を求めるための高性能専用プロセッサの設計・試作を行い,その有用性を実証した.これは,世界初のLSIとして,当時の最高性能を有していたものであり,6自由度多関節ロボットの例で,0.1msec以下の処理時間であった.当時のマイクロプロセッサによる処理時間と比較して,数10倍以上の性能を有していた.座標逆変換が座標の回転移動であるベクトル演算の組み合わせにより成り立っていることに着目し,通常の演算方式と比較して演算量を1/3ににまで減少するアルゴリズムを考案した.またCORDIC手法が,回転移動及び三角関数,逆三角関数,平方根などの演算に適することに着目し,従来にはない高速な座標逆変換を可能にした.
第1回(1990年度)日本ロボット学会技術賞受賞