日本のロボット研究の歩みHistory of Robotics Research and Development of Japan1997Integration, Intelligence, etc.〈インテグレーション・知能ほか〉リモートブレイン方式におけるソフトウエアプラットフォームの構造化と実現
加賀美 聡 | 東京大学工学部機械情報工学科 |
稲葉 雅幸 | 東京大学工学部機械情報工学科 |
井上 博允 | 東京大学工学部機械情報工学科 |
この論文は、ロボット研究開発アーカイブ「日本のロボット研究開発の歩み」掲載論文です。
実験を通して実証的にロボット研究を行なっていく時に,ソフトウェアの改良 を繰り返すプロセスが長期間に渡って必要となる.実世界でよく動く知能ロボッ トの研究において,ソフトウェアを改良するプロセスをどのような環境でどの ように行なうべきかが重要な問題となる.本論文ではソフトウェア環境を複数 の開発者が共有でき,環境そのものもロボットのトップレベルに合わせて進化 できるソフトウェア環境としての「ソフトウェアプラットフォームの構成法」 について述べる.
ソフトウエアプラットフォームの構造化としてマザー,ブレイン,ボディの3 つを挙げた.マザーはブレイン部にあるロボットの動作のプログラムを生成す るための環境(ライブラリとツール)である.またこのソフトウエアプラット フォームに対する重要な問題として,拡張性と共有性のトレードオフの問題と, 低レベルの並列に実時間で動作する環境モニタプログラムと上位のソフトウエ アのインターフェースの方法に関する問題が存在する.本論文ではこれらの問 題に対する分析とリモートブレインロボットでの解決法を示す.
次に実際にリモートブレインロボットにおいて,様々なボディを様々な上位の ソフトウエアアーキテクチャから動作させるために作成したシステムの実現に ついて述べる.
第12回(1998年度)日本ロボット学会論文賞受賞