日本のロボット研究の歩みHistory of Robotics Research and Development of Japan2000Integration, Intelligence, etc.〈インテグレーション・知能ほか〉視触覚フィードバックを用いた最適把握行動
並木 明夫 | 東京大学 |
石川 正俊 | 東京大学 |
この論文は、ロボット研究開発アーカイブ「日本のロボット研究開発の歩み」掲載論文です。
未知の環境でロボットを制御する場合,視覚と触覚のセンサフィードバック制御が有効である.しかし,従来のロボットハンドの研究においては,これらのセンサ情報を利用した把握アルゴリズムについては,十分な研究はされていなかった.
これに対して,本研究では,センサフィードバックに基づき最適な把握形状を実現する把握アルゴリズムを開発した.これは,指を対象に近づけるグラスピングと,手の形状を変形させるプリシェーピングの2つの行動を視触覚情報を用いて制御するものであり,動的に変化する環境のもとでも安定した把握が可能となる. 図1にアルゴリズムの概略図を示す.
提案したアルゴリズムの有効性を示すために,多指ハンドシステムを用いて実験を行った.図2にシステムの構成を,写真にシステムの外観を示す.本論文で提案した把握アルゴリズムに対して,高速視覚システム[1]を導入することで,高速移動物体の把握や握手などのタスクも実現されている[2,3,4,5].
第15回(2001年度)日本ロボット学会論文賞受賞