日本のロボット研究の歩みHistory of Robotics Research and Development of Japan2007Integration, Intelligence, etc.〈インテグレーション・知能ほか〉衝撃力が提示可能なハプティックディスプレイによるバーチャルな剛体接触感
エマヌエル ヴァンダーポールテン | 京都大学 (現在 ルーヴェン・カトリック大学) |
横小路 泰義 | 京都大学 (現在 神戸大学) |
この論文は、ロボット研究開発アーカイブ「日本のロボット研究開発の歩み」掲載論文です。
本論文では,仮想空間内での剛体同士の接触を提示するために,衝撃力を伴う力提示が可能な新しいハプティックデバイスを提案しました.力覚提示で良く用いられるペナルティ法では,剛体接触時のリアルな力感覚を与えるのは難しかったのですが,本提案手法ではある与えられた反発係数の接触において発生すべき衝撃力をフライホイールにあらかじめ運動量として蓄えておき,接触の瞬間にメカニカルクラッチを介して衝撃力として提示することでリアルな剛体接触感覚を提示することができます.本論文で提案した手法は,大出力モータを使わずに大きな衝撃力を安全かつ安定に提示できるものであり,これまでの「遭遇型」ハプティックデバイスの考え方を動的な接触時にまで拡張したものと捉えることもできます.
2008年 第22回日本ロボット学会論文賞受賞