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日本のロボット研究の歩みHistory of Robotics Research and Development of Japan1981Locomotion〈ロコモーション〉斜旋回機構を用いた索状能動体とその制御


広瀬 茂男東京工業大学
織田 春太東京工業大学
梅谷 陽二東京工業大学

この論文は、ロボット研究開発アーカイブ「日本のロボット研究開発の歩み」掲載論文です。

筆者らは1971年から実際のヘビを用いたバイオメカニカルな研究を始め[1.2.3]、1972年には索状能動体(Active Cord Mechanism)のモデル機ACM IIIを試作し、実際のヘビと同じ蛇行推進を行うヘビロボットを実現した(写真1)。全長2m、20節、各節の接地面にはキャスターが左右一対取り付けられ、各節の関節サーボ機構に正弦波的に屈曲させる指令値を先頭節から後部節に伝播することで実際のヘビと同様な推進を行うものであった[4.5]。
本論文は、さらに立体的な運動をするヘビロボットを実現するため、アーム中心軸から15度傾いた軸回りに回転する斜旋回軸と同軸旋回軸を交互に直列に連結する斜旋回機構を提案し、写真2に示す斜旋回機構型ACMを試作し、その関節駆動制御手法や能動車輪の駆動法などを論じたものである。斜旋回機構型ACMは全16節、全長1.6m、全質量4.3kgである。

1993年 計測自動制御学会論文賞受賞

写真1
写真1
写真2
写真2

動画


対応論文


広瀬茂男、織田春太、梅谷陽二:斜旋回機構を用いた索状能動体とその制御

計測自動制御学会論文集, Vol. 17, No. 6, pp. 686-692, 1981.
(リンク先:https://www.jstage.jst.go.jp/article/sicetr1965/17/6/17_6_686/_pdf)

Shigeo Hirose, Yoji Umetani:An Active Cord Mechanism with Oblique Swivel Joints and Its Control

Proc. 4th RoManSy Symp., Zaborow, Poland, PWN-Polish Scientific Publishers, pp.327-340 (1981)

関連論文


[1] 梅谷陽二、広瀬茂男 : ほふく(匍匐)運動の生物力学的研究 -定常直進滑走のモデル解と動物実験-, 計測自動制御学会論文集, 8, 6, pp.724-731 (1972)


[2] 梅谷陽二、広瀬茂男 : ほふく(匍匐)運動の生物力学的研究 -定常直進滑走時の体形曲線-, 計測自動制御学会論文集, 10, 4, pp.513-518 (1974) (計測自動制御学会 論文賞 1976.8.26)


[3] Yoji Umetani, Shigeo Hirose : Biomechanical Study of Serpentine Locomotion, Proc.1st RoManSy Symp., Udine, Italy, Springer-Verlag, pp.171-184 (1974)


[4] 梅谷陽二、広瀬茂男 : ほふく(匍匐)運動の生物力学的研究 - ほふく推進体の操縦性と制御実験 -, 計測自動制御学会論文集, 11, 1, pp.20-24 (1975)


[5] 広瀬茂男、梅谷陽二 : 触覚を有する索状能動体の運動制御, 計測自動制御学会論文集, 12, 5, pp.543-547 (1976)