日本のロボット研究の歩みHistory of Robotics Research and Development of Japan1985Locomotion〈ロコモーション〉4足歩行機械の制御システム
広瀬 茂男 | 東京工業大学 |
福田 靖 | 東京工業大学 |
菊池 秀和 | 東京工業大学 |
この論文は、ロボット研究開発アーカイブ「日本のロボット研究開発の歩み」掲載論文です。
4足歩行機械は,凸凹面のある不整地上を安定に全方向移動できる,足の自由度でマニピュレーション作業ができる,などの特徴を有する。そのため筆者らは1976年から4足歩行機械に関する研究を続け,KUMO-I,PV-II,TITAN III(写真1,脚長1.2m,全質量80kg),TITAN IV(写真2,脚長1.2m,全質量160kg)などの機械モデルを試作してきた[1.2.3.4]。本研究は,これらの4足歩行ロボットのための知能的歩容制御システム(Intelligent Gait Control System)に関するものである。
本制御系の特徴は,不整地で最適な歩容を実現する脚支持パターンが実現できないときは適応的にパターンを修正するが,不整地度が低下するに従い基準歩容を生成する「基準収束型適応歩容」を導入している点である。足部の触覚センサ,胴体部の姿勢センサなどを利用して不整地を対地適応的に歩行する実験に成功している。
第1回(1987年) 日本ロボット学会論文賞受賞