SEARCH
MENU

日本のロボット研究の歩みHistory of Robotics Research and Development of Japan1992Locomotion〈ロコモーション〉節体幹型ロボットKRIIの開発


広瀬 茂男東京工業大学
森島 昭男東京工業大学
塚越 真一東京工業大学
妻木 俊道三菱重工株式会社
物部 宏之三菱重工株式会社

この論文は、ロボット研究開発アーカイブ「日本のロボット研究開発の歩み」掲載論文です。

ヘビ型の細長い形態をなすロボットは

  1. 凹凸が激しく狭隘な通路を,多くの積載物を各節に分散して安定に運搬できる。
  2. 各関節の支持状態を移動面に応じて調整することで多様な移動ができる。
  3. 無中枢制御系が使用でき,分割・合体機能が発揮できる。
  4. 超冗長なシステム特有の信頼性,修理性,搬送性が発揮できる。
などの特性を発揮する。写真1は節間を左右に振る回転運動軸(θ軸),節間を上下にスライドさせる直動運動軸(z軸),そして推進運動のための車輪(s軸)の3自由度の円筒形ユニットを連結した第1次モデルの節体幹ロボットKR-Iである[1.2.3.4.5]。全長1.4m,節数6,全質量28kgであった。さらに原子炉内の通路を移動しての検査や,消防活動の補助を目的とした写真2の第2次モデルKR-IIを開発した。これは全長3.3m,各節高さ1.08m,幅0.48m,全質量約320kgであった。本論文は,このKR-IIの機構設計と制御法を検討したものである。

第3回(1992年)日本ロボット学会技術賞受賞

動画


対応論文


広瀬,森島,塚越,妻木,物部:節体幹型ロボットKR IIの開発, (PDF, 955KB)

日本ロボット学会誌,Vol. 9, No. 5, pp. 551-559 (1991)

関連論文


[1] 広瀬茂男,森島昭男,永井宏一 : 節体幹形移動ロボット,日本ロボット学会誌,Vol.7, No.1, pp.56-61 (1989)


[2] 広瀬茂男,森島昭男 : 節体幹形移動ロボット「蛟龍」の基本的運動調整,計測自動制御学会論文集,Vol.25, No.12, pp.1331-1338 (1989)


[3] Shigeo Hirose, Akio Morishima : Basic Motion Regulation of Articulated Body Mobile Robot, Proc. 5th Int. Symp. on Robotics Research, Tokyo, pp.433-440 (1989)


[4] Shigeo Hirose, Akio Morishima : Design and Control of a Mobile Robot with an Articulated Body, The Int. J. Robotics Research, The MIT Press, Vol.9, No.2, pp.99 (1990)


[5] 森島昭男,広瀬茂男 : 節体幹型移動ロボット「蛟龍」の研究(予測的制御の導入と実験),日本ロボット学会誌,Vol.10, No.6, pp.790-795 (1992)