SEARCH
MENU

日本のロボット研究の歩みHistory of Robotics Research and Development of Japan2010Locomotion〈ロコモーション〉動作自由度数を低減した脚車輪型移動ロボットの駆動機構と歩行および走行の双方向切換え制御


岡田 徳次新潟大学

この論文は、ロボット研究開発アーカイブ「日本のロボット研究開発の歩み」掲載論文です。

本稿は,歩行専用の脚型ロボット,あるいは走行専用の車輪型ロボットのそれぞれに本質的なデメリットによって移動性能を低下させないようにするため,換言すれば,両専用ロボットのメリットを活かせるよう一つのロボットを歩行にも走行にも使えるようにするため,操舵機構を必要としない少ない動作自由度数4の脚型ロボット(PEOPLER-I)に環状枠を取り付けるだけで,これを走行ロボットとしても兼用可能なハイブリッド型移動ロボットに進化させる機構と制御について述べる.特に,従来の歩行,あるいは走行に限った専用ロボットのデメリットに束縛されずに,また,搭乗者の単純な指令一つで歩行および走行の双方向切換えをスムースに行うための近位リンクと遠位リンク(以下,それぞれを単に腕,脚とよぶ)の協調制御アルゴリズムについて述べる.移動方式の切換えには,股関節の回転方向,車体の後戻りを含む上下動軌跡,所要エネルギーのいずれを重視するかによって異なる制御アルゴリズムの存在を示す.路面の傾斜角,昇降の別などに適応するロボット姿勢角を吟味し,前記3項目のそれぞれに適する切換え制御を構築する\cite{okada2008}.さらに,移動方式の切換えと同時に進行方向を変える制御を明らかにする.後半では実際に,PEOPLER-Iを進化させたPEOPLER-IIを制御し,撮影した動画の時系列写真を使って提案する切換え制御の有効性を実証する.
4動作自由度数の移動ロボットPEOPLER-II
4動作自由度数の移動ロボットPEOPLER-II