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日本のロボット研究の歩みHistory of Robotics Research and Development of Japan1979Manipulation〈マニピュレーション〉手作業のためのハンドリングシステム


岡田 徳次電子技術総合研究所

この論文は、ロボット研究開発アーカイブ「日本のロボット研究開発の歩み」掲載論文です。

動物の手の構造や動作の分析結果を利用することによって,物体を落とさず自ら操るシステムの設計を明らかにした。事実,ワイヤを蛇管に通す制御系を導入して駆動のためのアクチュエータや減速機構を全ての指部から排除する3本の指効果器を設計・試作した。また,計算機によって多関節指を協調制御するシステムを開発した。本研究により,
  1. 提案した手構造や制御法によって,物体を把持したまま指定される位置や姿勢に変えられる
  2. 蛇管内を通るワイヤを動力の伝達媒体とすることによって指部の設計はコンパクトになり,指全周が物体の操りを妨げることなく効果器として外界に作用する
  3. データベース化した指の基本動作プログラムを組み合わせるだけで似たような作業は容易に実現する
  4. 指関節への角度や力のデータを教示し,その再生によって複雑な作業は実現する
ことを実証した。動画像は,棒回しと球回しの実況を示す。製作したシステムは,光電式近接距離計(8)を装備し,ネジ回し時のナットの進み等の位置ずれをも追跡しながら作業を続行する。
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対応論文


Tokuji Okada:Object-Handling System for Manual Industry, (PDF, 3.3MB)

IEEE Trans. on SMC, Vol.9, no.2, pp.78-89, 1979.
Note: This paper may not be sold, recopied, or redistributed and is for personal use only. Any recopying, redistribution or resale of this paper is prohibited without a license from the IEEE (rights holder) to do so.

関連論文


[1] T.Okada and S.Tsuchiya: Object Recognition by Grasping(PDF,2.55MB), J. of Pattern Recognition, Vol.9, no.3, pp.111-119, 1977.

[2] 岡田:指の運動と手作業の分析,バイオメカニズム,3巻,バイオメカニズム学会編,東京大学出版会,pp.133-144, 1975.

[3] 岡田:ワイヤを用いた人工指の力制御,計測自動制御学会論文集,Vol.14, no.2, pp.155-162, 1978.

[4] 岡田:操作性に富む指構造を有するマニピュレータの計算機制御,計測自動制御学会論文集,Vol.16, no.1, pp.98-104, 1980.

[5] 岡田:細密な物体操作のための指運動の解析,計測自動制御学会論文集,Vol.16, no.4, pp.597-602, 1980.

[6] T.Okada:Computer Control of Multijointed Finger System for Precise Object-Handling, IEEE Trans. on SMC, Vol.12, no.3, pp.289-299, 1982.

[7] 岡田:指動作の解析結果に基づいた指の協調制御,バイオメカニズム,6巻,pp.205-213, 1982.

[8] T.OKada: Development of an Optical Distance Sensor, J. of Robotics Research, Vol.1, no.4, pp.3-14, 1983.