日本のロボット研究の歩みHistory of Robotics Research and Development of Japan1995Manipulation〈マニピュレーション〉触覚フィードバックを用いた多指ハンドによる未知形状物体の転がり接触を考慮した操り制御
前川 仁 | 機械技術研究所 |
谷江 和雄 | 機械技術研究所 |
小森谷 清 | 機械技術研究所 |
この論文は、ロボット研究開発アーカイブ「日本のロボット研究開発の歩み」掲載論文です。
多指ハンドにより物体を把握して操る際に指先と物体が転がりながら接触すると,両者の接触位置が操り動作に伴って変動する.目標通りの操り動作を実現するためには,転がり接触を考慮しつつ各指の運動を制御しなければならない.この問題に対して,触覚情報を利用した指先軌道計画方法を提案した.本計画方法では指先に搭載した触覚センサにより検出した物体の接触位置をフィードバックすることにより,転がり接触のもとでもハンドにより物体を目標軌道に沿って操ることができる.必要な情報を触覚センサにより検出するため,従来方法と異なり物体形状モデルが不要であるとともに,接触位置が物体の頂点や稜を通過するような操り動作にも適用可能である.本論文では指先と物体の運動学に基づいて指先軌道計画方法を定式化した後,シミュレーションおよび指先触覚センサを搭載した2本指ハンドによる操り動作実験を行い,その有効性を確認した.
1999年 日本機械学会奨励賞受賞