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日本のロボット研究の歩みHistory of Robotics Research and Development of Japan1997Manipulation〈マニピュレーション〉パルス駆動誘導電荷形静電フィルムアクチュエータ


柄川 索(株)日立製作所
新野 俊樹理化学研究所(東京大学)
樋口 俊郎東京大学

この論文は、ロボット研究開発アーカイブ「日本のロボット研究開発の歩み」掲載論文です。

静電力で動作する薄形・軽量のフィルムアクチュエータを開発した.本アクチュエータは3相の帯状電極が埋め込まれた固定子と,微弱な導電性を有する材料が塗布された移動子の2枚のフィルムからなる.電極にパルス電圧を加えることにより,移動子上に電荷を誘導して駆動力を発生し,移動子を横に動かす.電極ピッチ240μm,全体の厚さ120μm,質量0.35gの試作アクチュエータを電圧800Vで駆動したところ,0.16Nの力と1.6mWのパワーが得られた.本アクチュエータは,表示素子,薄葉材料の搬送装置,大出力の積層形アクチュエータ(静電人工筋)など,広い分野で利用されることが期待される.

第13回(1999年)日本ロボット学会論文賞受賞

写真1 フィルムアクチュエータ
写真1 フィルムアクチュエータ
写真2 積層形アクチュエータを用いたロボットアーム
写真2 積層形アクチュエータを用いたロボットアーム

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対応論文


柄川,新野,樋口:パルス駆動誘導電荷形静電フィルムアクチュエータ, (PDF, 2.98MB)

日本ロボット学会誌, Vol. 15, No. 3, pp. 61-68, 1997

関連論文


[1] 柄川索,藤江正克,樋口俊郎:介護機器用静電アクチュエータの基礎検討,日本ロボット学会誌,Vol.15, No.8, pp.51-59, 1997.

[2] 新野俊樹,樋口俊郎,柄川索:交流駆動両電極形静電モータ,日本ロボット学会誌,Vol.15, No.1, pp.97-102, 1997.

[3] T. Niino, S. Egawa, H. Kimura and T. Higuchi: "Electrostatic Artificial Muscle: Compact, High-Power Linear Actuators with Multiple-Layer Structures", Proc. 1994 IEEE Workshop on Micro Electro Mechanical Systems, pp.130-135, Oiso, Japan, 1994.