日本のロボット研究の歩みHistory of Robotics Research and Development of Japan1997Sensing〈センシング〉多モード音響共鳴を用いたテンソルセル触覚センサ
寺田 夏樹 | 東京大学工学部 |
篠田 裕之 | 東京農工大学工学部 |
安藤 繁 | 東京大学工学部 |
この論文は、ロボット研究開発アーカイブ「日本のロボット研究開発の歩み」掲載論文です。
柔らかい弾性体に触覚を与える方法を提案した。
弾性体内部の微小な空洞の空気に音響的共鳴を生じさせ,その共鳴周波数から周囲の応力状態を計測する。
複数の共鳴モードを同時に観測することにより,一つの空洞によって複数自由度の変形を計測することができる。
本研究を発展させた関連研究[1,2]の形態を用いれば,弾性体内部の構造は空洞のみであり,硬い部品は存在しない。
空洞は任意の深さに配置でき,その 0.1% 程度の変形を検出可能。
という特長があり,皮膚の横方向の伸縮やせん断変形を分解して高精度検出することができる。また空洞が球形の場合には,主軸の方向によらない主応力成分が検出される。
金属配線を用いない本研究の触覚素子は,関連研究[3]のような形態(動画を参照)にも発展し,人間の触覚に忠実な触感を得るセンサや,大面積の柔軟皮膚を実現するための基礎となっている
1998年 計測自動制御学会論文賞受賞