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学生編集委員会取材企画:身体を知り,拡げ,使いこなす―東京大学 稲見研究室―


はじめに

私たち日本ロボット学会学生編集委員会東京支部は,東京大学先端科学技術研究センター身体情報学分野稲見研究室への取材を行いました.稲見研究室は,自在化身体プロジェクトと称して,人間がロボットやAIと一体となって行動したりその行動の可能性を広げたりするための研究を行っています[1][2].自在化身体の研究の現状や可能性,稲見研究室で研究に従事されている方々の想いに興味を持った私たちは,稲見先生をはじめとする研究室の方々へのインタビューや,研究室の見学,様々なデモンストレーションの体験をさせていただきました.本稿はその内容をまとめたものです.

なお,本稿はRSJ学会誌(2021年39巻第8号,本誌)の特集「ERATO稲見自在化身体プロジェクト」と連動しており,日本ロボット学会学生編集委員会初の研究室紹介記事でもあります.特集と合わせて読んでいただけると幸いです.


1. 稲見先生インタビュー

まずは,東京大学先端科学技術研究センター稲見昌彦教授へのインタビューです.稲見研究室の研究内容や研究室の運営などについて聞いてみました(図1).

 

図1 稲見先生へのインタビューの様子

 

1.1 研究内容について

―初めに研究についてお伺いします.自在化身体の研究が進むと,私達はどのようなことができるようになるのでしょうか?

自在化身体に関する研究の目的は,新しいシステムや機械を使うとき,自由自在に自身の身体性を拡張・縮減できるようにすることです.ですので,いろいろなシステムやコンピューターグラフィックスのアバターといったものを自分の身体のように扱うことができるようになると言えます.

 

―自在化身体があると認知心理や神経機構についてどのようなことがわかると予測していますか?

自身の身体性が変容したときに,脳のどの部位が変化・活動するかということや,もしくはどのような手法だと新しい身体性を獲得しやすいか,場合によってはその獲得した身体性を一旦失うにはどうすればいいかというようなことも分かるかもしれません.つまり,新しい身体の使いやすさや,設計の指針が得られるかもしれないと予測しています.


―自在化身体によって,逆に体を喪失させる,例えば手の一部とかの感覚を失わせることもできるのでしょうか?

それはまだ実現はできていませんね.ただ,一旦拡張した身体を減らしていくというのに近い考え方ができるかもしれませんし,場合によっては,怪我をした場合の幻肢痛と言われる現象の解明につながることもあるかもしれません.


―自在化身体に対する社会的要求の調査もされているそうですが,調査から分かったことを教えてください.

やはり社会的要求に応えるには倫理面等も検討する必要があるということですかね.そして,思っていた以上に市場の期待が大きかったというところが面白いですね.


―どんな面で期待が大きかったのですか?

いろいろな産業で,こういった技術を使ってみたいというお話をいただいています.場合によってはこれでスタートアップができるかもしれませんね.最近,人間拡張を専門とするベンチャー投資ファンドというのもできたりしていまして,こういう技術への期待が高まっているという感じは受けますね.


―具体的にどういう風に使われているのか教えていただけますか?

そうですね.例えば,建設機械産業における操縦トレーニングや操作の効率化とかですね.あとは,リハビリテーションやスポーツのトレーニングとか,そういうところでの新しい研究のコンセプトとしての需要が大きいみたいですね.


1.2 研究室の運営について

―Twitterやnoteなどを使った情報発信に対する研究室外からの意見を研究にフィードバックされているとのことですが,具体的にどんなことをされているか教えてください.

よく皆さんもアイデアを考えたときに周りとディスカッションとかするじゃないですか?それをより広くできる感じですね.しかも,すぐにフィードバックがもらえて,興味を持つ人がどれぐらいいるかがすぐ可視化されるというのも面白いですね.みんなが興味を持ちそうなことというのは,研究の方向性として大切だなと思います.言ってみれば,すごくシンプルな市場調査みたいな感じでしょうか?

あと,話したことをどんどん忘れちゃうので,過去ログとかを時折見返しながら面白いこと言っているな,とか,これは今使えるかもしれないな,って振り返るのに使っていますね.パブリックに公開している研究ノートみたいな感じですよね.
ほかにも,講演のネタにすることがよくあります.もちろん研究のプロモーションにも使えます.コンピューターサイエンスの分野だと,意外とフォロワー数から引用数にもつながるみたいな研究もあるみたいですね.ということで,研究に関わる人はやった方が良いのではないかなって感じがします.


―学生にも発信を促されていますか?

ソーシャルメディアかどうかは置いておくとして,ちゃんと発信するようにというのは言っていますね.きちんと論文を書くのも発信ですからね.別にTwitterをやれとは言っていません.それは好きにやればいいと思います.


―研究室としてどのような将来像を目指していますか?

いろいろな人が集まる,いわばハブのような存在にしたいですね.実際,出身大学や専攻,学生/社会人を問わずいろいろなバックグラウンドの人がいていい,という感じでやっています.そんなに宣伝っぽい宣伝をしているつもりはないんですけどね.ただ,こうじゃなくちゃ駄目だ,というように入口を狭くすることはあまりしないようにしています.

とはいえ大学の工学系の研究室なので,基本的な理論とかサイエンスの部分も大切です.それを踏まえたうえで,研究の成果をきちんと社会に実装していくということをやっていきたいと思っていますね.


―コロナ禍において研究室のメンバーの親睦を深めるために何か工夫されていることはありますか?

Zoomのブレークアウトルーム機能を使ってポスターセッションのような形式でディスカッションをする時間を増やしています.大勢が一つのトークルームにいると発言する人が限られてしまって,特に研究室だとどうしても教授ばかり話しちゃうじゃないですか.そうならないようにできるだけブレークアウトルームを作って,いろいろと出入りしながら私がいないところでちゃんと議論が深まるようにしていますね.

まあやっぱり,早くワクチン接種してもらって感染に注意しつつ対面の飲み会をやりたいですね.オンライン飲み会だと,どうしても話す人が限られちゃうんですよね.今は学生主体でいろいろとオンラインで集まってイベントすることを推奨しています.あとは,オープンハウス(研究室公開)のときとかに,Gather.Townっていうアプリを使って上手くバーチャル研究室を作ってやっています.ドット絵で,昔のドラクエっぽくダンジョンみたいにしてやっている感じです.面白いですよ.


1.3 学生に向けて

―分野を問わず,研究に励んでいる学生たちに向けてメッセージを頂きたいです.

何でもいいから研究以外にも興味を持つことが大切かもしれません.そういう趣味を持っていることがオリジナリティにつながるので,何か関係ないことをいろいろやることが大切かなと思います.


―稲見先生は研究以外にどんなことをされているのですか?

40歳ぐらいからダイビングを始めて,最近,バイクの免許を取ってツーリングを始めました.まさか50歳近くになって新しいことを始めるとは思わなかったですけど,いろいろ発見がありますね.


―どんな発見がありましたか?

人機一体そのものの楽しさを感じました.そして,知的システムと移動との関係が興味深いと思うようになりましたね.もっと言うならば,目的地に行くということではなくて,移動する過程の価値というものを考えるきっかけになりましたね.私の研究の一つは,ドラえもんのどこでもドアじゃないですけれども,テレイグジスタンス(Tele-existence,遠隔存在)というか,瞬間的に移動できるような技術というのをずっとやってきました.でも,移動する過程自体の価値を最大化するというのも面白いかもしれないと考えていますね.


―最後に,稲見研究室への配属を目指す学生へのメッセージをお願いします.

自分の身体のことってみんなよく分かっているかもしれませんけど,例えば靴ひもの結び方一つとっても言葉で説明するのが難しいように,理解できていることって実は少ないんですよね.そういう身体と情報の関係について,ロボットとはまた別の方向で興味がある人は是非ともこの分野を目指してください.


2. インタビュー&デモ

次に研究室の見学です.稲見研究室に所属されている荒井謙さん,佐々木智也さん,堀江新さん(以上博士課程),前川和純特任助教へのインタビュー(図2)とデモンストレーションの体験をさせていただきました.

 

図2 研究室でのインタビューの様子

 

2.1 インタビュー:荒井 謙さん

―どんな研究をされていますか?

“Embodiment”によって脳や神経がどう変化するのかを「第6の指」や「第3・4の腕」を使って解明する研究をしています.“Embodiment”は日本語で「身体化」といって,「行為主体感」「身体所有感」「自己位置感覚」という三つの要素があります.行為主体感とは,自分の意思で動かしているという感覚のこと,身体所有感とは,自分のものだと思える感覚のことで,自己位置感覚とは,人称視点により認知するモノの位置に対する知覚を指し,主にVR環境下などで議論されます.そういったものと脳や神経の関係を,MRIとかCTなどを使いながら調べています.


―荒井さんは社会人博士ということなのですが,どういうきっかけで稲見研究室に来られたのですか?

私は,大学院で医学系の研究をしたのちに民間企業に就職して,体から得た情報(身体情報)を診断や治療に使うための装置の開発をしてきました.初めはその仕事に興味を持って取り組んでいたのですが,働いているうちに,身体情報のほかの使い道について自分のベクトルが向くようになったんです.そこでいろいろと調べたところ,身体情報をロボティクスや身体表現に応用する研究をしている稲見研究室の存在を知り,入学を決めました.


―社会人としての経験も踏まえて,研究で大切なことは何だとお考えですか?

自分で考えて提案していくことですね.一般に,社会では指示されたことを効率よくこなすことが求められますが,研究では個人の考えの独創性が重視されます.稲見先生に「これこれこういう研究がしたい」と相談を持ち掛けると,「こんなことほかの人がもうやってるじゃん」なんて言われてしまうこともあります.稲見先生はそこのところ厳しいんです.この研究室に入って,自分の考えの浅はかさといいますか,考えている「つもり」になっていたことに気づかされましたね.


2.2 デモ:第6の指

荒井さんが研究で使われている「第6の指」を体験させていただきました(図3).第6の指は,小指の横に装着する指型のデバイスです.腕に力を入れることで,筋肉の筋細胞の活動電位が筋電センサによって読み取られ,動かすことができます.もともとある5本の指とは異なる筋肉の使い方を必要とするため,第6の指はほかの指とは独立に動かすことができます.

第6の指を装着した人がこれを自分の指だと受け入れるように,体に取り付けられたものを自分の体の一部として認識することを「身体化」と言います.荒井さんが説明してくださったように「行為主体感」,「身体所有感」,「自己位置感覚」の三つの要素から成り立っています(ただし,第6の指の場合「自己位置感覚」は第一人称視点として生得的な指と同様に第6の指を認識するため,この知覚はすでに大きいと考えられるとのこと).

第6の指は本物の指そっくりの形で,手袋をはめると自分の指と区別がつかずまるで自分の小指のように感じました.これが身体所有感だそうです.また,今回は諸事情によりできなかったのですが,筋電センサを装着して自分の腕に力を入れたり抜いたりすることで第6の指を操作すれば,「自分の意思で動かしている」という感覚になる,つまり行為主体感を持つそうです.

このように,第6の指を自分の指として受け入れるとき,脳や神経には何らかの変化が起こっていると考えられます.荒井さんは,脳活動計測と心理物理実験を行うことでその変化を調べているのだそうです.

 

図3 第6の指体験の様子

 

第6指の動作の様子(1)

 

第6指の動作の様子(2)

 

(1)の動画では,第6指を左小指の隣に装着し,屈筋・伸筋の筋電信号を同時検知することにより動かしています.(2)では,筋電センサ装着者の活動を元に,左側の人が装着した第6指が動いています.
この動画では少々分かりづらいですが,第6指に必要な筋活動は生得的な指の動作時に伴う筋活動とは異なるため,独立した操作が可能です.
(JST ERATO稲見自在化身体プロジェクト・電通大・CNRSの共同研究によるもの)


2.3 インタビュー:佐々木 智也さん

―どんな研究をされていますか?

人の腕を増やす研究に修士課程のころから取り組んでいます.その過程でつくったのが,後ほど体験していただく“MetaLimbs”です.博士課程では“MetaLimbs”から見えてきた新しい課題の解決に取り組んでいます.例えば,足・脚以外で操作するにはどうすればいいか?ということを考えて,肩で操作するための研究をしています.


―稲見研究室への配属を目指す学生へのメッセージをお願いします.

ちょっとネガティブに聞こえてしまうかもしれませんが,研究テーマにピンポイントで興味を持って入ってくると後悔することになるかもしれません.「稲見研究室のHPで見た〇〇の研究がしたい!」と思っていたのに,いざ研究室に入ってきたときにはそのテーマは終わっていた,なんてことになる可能性が高いんです.というのも研究室の状況は日々変わっているんですね.どんどん新しいテーマが生まれていて,半年後,1年後のことさえもわかりません.

ですので,これから稲見研究室への配属を目指す人は,個々の具体的な研究テーマではなく,その裏にある大きな課題への興味や何かしらのアイデアを持っているといいと思います.


2.4 デモ:MetaLimbs

“MetaLimbs”の体験をさせていただきました(図4).ロボットアームのような「第3・4の腕」がついたデバイスを背負い,“MetaLimbs”の腕を自分の足で操ります.足の動きに連動して腕が動き,足の指を閉じたり開いたりすると,“MetaLimbs”の指が閉じたり開いたりします.また,“MetaLimbs”の手を誰かが掴んだり触ったりすると,その感覚が足に疑似的に与えられます.

足を横方向に動かしたり,足の指を閉じたり開いたりすることは普段ほとんどないので,うまく操れるか不安でした.しかし,実際にやってみると,思いのほか簡単に物を掴んだり動かしたりすることができました.

このように「第3・4の腕」があれば,両手がふさがる作業をしながらお茶とかコーヒーを飲んだり,料理中に両手が汚れているときに調味料を追加したり,複雑なジャグリングを披露したり……といろいろなことができそうです.実際に腕が2本増える体験をした後,その体験を共有して話し合えることは大きな魅力だなと感じました.

 

図4 MetaLimbs体験の様子

 

2.5 インタビュー:堀江 新さん

―どんな研究をされていますか?

私は触覚関係の研究をしていて,スキンストレッチという方法を臀部や背中に適用した触覚提示などをやっています.スキンストレッチというのは,その名の通り皮膚を引っ張ることです.私は東北大学の田所・昆陽研究室に在籍していた修士のころに,座面を部分的にスライドさせて臀部の皮膚を引っ張る椅子型のデバイスをつくりました.引っ張られるのは臀部の皮膚だけなのですが,人はからだ全体が引っ張られているように感じるんです.これを使うと,例えばドライビングシミュレータで加減速や遠心力を疑似的に提示することができます.

スキンストレッチを背中に適用した椅子型のデバイス“Torsion crowds”もつくりました.背もたれの部分につけられた独立に回転する複数のモータで背中をぐりぐりするんです.人間の体の表面付近には機械受容器というセンサがたくさんあって,これによって外部からの力とか,それによる変形を感じています.でも,機械受容器一つひとつは力の方向を知覚していなくて,それらの応答の集合によって力の方向を感じているんです.その仕組みを逆手にとったのがこのデバイスです.一つひとつのモータは回転運動でも,その回転角度やトルクをそれぞれ制御すれば,全体としていろんな方向への力を疑似的に提示することができるんですよ.

これを応用すると,例えば映画で4DXよりも高繊細な表現ができるようになると考えています.言ってみれば,映像に物理性を持たせられるようになるということですね.映像が皮膚感覚として背中に投影されるイメージです.

将来的には,触覚を映像のように扱えるようになると期待しています.触覚に「エフェクト」をかける―例えば「ブラー」をかける(滑らかにする)とか,コントラストを変えるとかですね―なんてことが近い将来できるようになるかもしれません.


―未来の稲見研メンバーに向けてメッセージをお願いします.

稲見研究室がやっているのは,伝統的な学術領域の追究というよりも,新しい学術領域の開拓です.だからこそいろいろな人たちがいます.私のように触覚のバックグラウンドを持つ人もいれば,荒井さんのように医学系の人もいますし,本当に様々です.

そういう多様性のおかげで,いろんな人が集まって話し合うと思いもよらないアイデアが生まれることがしばしばあります.アイデアが浮かぶとプロトタイプをささっとつくって,研究室のメンバーにフィードバックをもらって,それをもとにブラッシュアップしていく,というループを重ねて研究を進める感じですね.いろんな人のいろんな意見を取り入れていくと,気が付いたら(いい意味で)「変なもの」ができているんです.

稲見研で研究したいと思っている人たちに伝えたいのは,今自分がやっていることに集中して,今の環境で吸収できることを全部吸収して,自分の武器を磨いてほしいということです.その武器を稲見研究室で活かせば,きっと「変なもの」ができますよ.みなさんをお待ちしております.


2.6 デモ:ウェアラブルトーションアレイ

ウェアラブルトーションアレイを装着してテコンドーの練習をする様子を見学させていただきました(図5).ウェアラブルトーションアレイは,ひずみの分布によって運動感覚を与える装着型のデバイスです.腕を曲げると内側が縮み,外側が伸びることから分かるように,皮膚の感覚は運動感覚と密接に結びついています.これを利用した触覚提示によるサポートと,VR空間への手本の動きの表示によって,体の理想的な動かし方を習得できるそうです.

手本の動きを見るだけでなく触覚の情報によるサポートも受けることで理想的な動きを覚えることができるのはとても面白いと思いました.

 

図5 ウェアラブルトーションアレイを使ってテコンドーを練習する様子

 

ウェアラブルトーションアレイを使ってテコンドーを練習する様子

 

2.7 インタビュー:前川 和純 特任助教

―研究内容を教えてください.

博士課程では,「人が機械と一体感を持って運動する」ことを目指した研究をしていました.例えば,人と協調する投てきデバイスです.人がデバイスを持って,ターゲットをめがけてものを投げるように腕を振ると,デバイスが最適なタイミングでボールを放すんです.デバイスが判断したタイミングでリリースしても,ユーザは自分が投げているように感じる,という結果が得られました.

修士課程では,同じ東京大学駒場リサーチキャンパス内の山中研究室で脚のついたドローンの研究をしていました.稲見研究室に来たことに,これ!というきっかけがあったわけではないのですが,数年おきに環境を変えるのが肌にあっているなと思っているので,研究室を変えたんです.

博士課程と修士課程を振り返って比べてみると,修士課程では第三者からみて生き物らしいと感じる運動の研究(いわば,「3人称的」な研究)をしていたのに対して,博士課程からは,ユーザ自身が主観的に自分らしいと感じる運動という「1人称的」な研究をしてきたわけですね.


―最後に,未来の稲見研究室メンバーに向けてメッセージをお願いします.

稲見研究室に向いているのは,オリジナリティのあるものをつくった経験のある人とか主体性のある人だと思います.誰かから指示されるのを待つのではなくて,自分から進んでアイデアを生み出して,行動できる人をお待ちしています.これをきっかけに稲見研究室に興味を持っていただければ嬉しいです.


あとがき

研究室の方々へのインタビューやデモンストレーションの体験を通じて,自在化身体について具体的に理解することができました.また,研究室におけるメンバーの多様性から面白いアイデアが生まれていく様子を感じました.このような貴重な機会を設けてくださったことにこの場をお借りして御礼申し上げます.

 

参考文献

[1] 稲見研究室,https://star.rcast.u-tokyo.ac.jp (accessed Jul. 12th, 2021).
[2] https://www.jst.go.jp/erato/inami/index.html (accessed Jul. 12th, 2021).

 

稲見昌彦(Masahiko Inami)
1999年東京大学大学院工学研究科博士課程修了.東京大学助手,JSTさきがけ研究員,電気通信大学教授,マサチューセッツ工科大学コンピュータ科学・人工知能研究所客員科学者,慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授,東京大学大学院情報理工学系研究科教授等を経て2016年より東京大学先端科学技術研究センター教授.超人スポーツ協会共同代表,JST ERATO稲見自在化身体プロジェクト研究総括を兼任.自在化技術,Augmented Human,エンタテインメント工学に興味を持つ.(日本ロボット学会正会員)

 

茶田智来(Tomoki Chada)
2020年東京大学工学部精密工学科卒業.現在東京大学大学院工学系研究科精密工学専攻,修士課程在籍.日本機械学会学生会員.表面電位測定に関する研究に従事.(日本ロボット学会学生会員)

 

山口恵璃(Eri Yamaguchi)
2020年東京大学工学部精密工学科卒業.現在東京大学大学院工学系研究科精密工学専攻,修士課程在籍.ガラス環境におけるロボットセンサに関する研究に従事.

 

小嶋麻由佳(Mayuka Kojima)
2020年東京大学工学部精密工学科卒業.現在東京大学大学院工学系研究科精密工学専攻,修士課程在籍.硬軟感知覚や触覚刺激を用いた疑似力覚提示に関する研究に従事.