主催: IEEE RAS & IES, SICE, RSJ
日時:2022年10月23日〜27日
会場:京都国際会館
第35回IROS (IROS 2022: 2022 IEEE/RSJ International Conference on Intelligent Robots and Systems)が10月23日から27日まで京都国際会館にてハイブリッド形式で開催された。今回のテーマ“Embodied AI for a Symbiotic Society”において、世界57カ国から3,579件の論文が投稿され、1,716件の論文が採択された。さらに49件のIEEE Transaction論文もプログラムに追加され、合計1,765件の研究発表が205のセッションで行われた。また、最新研究成果の紹介として124件のポスター発表も行われた。その他にも、本大会では3件の大会招待講演(Brad Nelson, ETH Zurich; Chieko Asakawa, Miraikan; Radhika Nagpal, Princeton University)と15件の基調講演が行われた。さらにRSJとSICEの協賛によるIROS 35周年フォーラムでは、米Boston Dynamicsの創業者Marc Raibert氏と東京工業大学名誉教授広瀬茂男先生による「ロボット研究開発の哲学と文化」に関する特別講演や社会に多く貢献したロボット技術「Autonomous System」と「Assistive and Social Robots」に関する基調講演等が行われた。さらに、37件のワークショップと6件のチュートリアル、9件のロボット競技(5件オンライン競技)、71件の企業展示(7件オンライン展示)なども実施された。
図1:上位10ヶ国の論文投稿件数と採択論文件数及び論文採択率
今回の大会はコロナ禍で不確定要素が多い中、オンサイトメインのハイブリッド形式で開催され、参加登録数としてオンサイト3,430人、オンライン891人、合計4,321人が参加した。地域別参加の内訳の上位5ヶ国は日本(オンサイト804名、オンライン125名)、米国(オンサイト658名、オンライン192名)、韓国(オンサイト401名、オンライン24名)、ドイツ(オンサイト301名、オンライン27名)、中国(オンサイト58名、オンライン209名)であった。コロナ感染対策のためガラディナーなどの大人数イベントができない代わりに、昼に弁当、夕方に和菓子と飲料を配布して小人数の交流を促進させた。なお、会期中の約1週間、天候にも恵まれ、計画した花火の打ち上げや野外での和太鼓の演出が全て予定通りに遂行できた。数々のコロナ対策を講じた中で、特に企業展示説明者や参加招待者などを含む4,200人超の全来場者に対する事前陰性証明の提出により会議期間中感染者報告はゼロであり、参加者全員の安全かつ自由な交流が実現できた。今大会初の試みとして実行したスポンサーへの謝恩会と併催したGala EventにIEEE会長 K. J. Ray Liu先生、門川大作 現京都市長や立命館大学総長 仲谷善雄先生に多忙なスケジュールの中ご臨席いただき、IROS及び知能ロボット技術を一般社会に向けて広報することができた。
図2:(左から)報告者(馬書根)、Marc Raibert氏、と広瀬茂男先生
最後にコロナ禍の中でIROS 2022を大成功に導けたことについて、IROS 2022実行委員会皆様の日々のご尽力、および多くの方々からの多大なるご支援とご協力に、心から感謝の意を表したい。なお、観光庁、京都文化交流コンベンションビューロー、企業、団体から手厚い財政支援を受けたことを明記したい。特にIROS 2022のコロナ感染対策にご理解とご協力を頂いた参加者の皆様に心より感謝申し上げます。来年米国デトロイトで開催されるIROS 2023でお会いしましょう。
IROS 2022実行委員長 馬書根(ロボティクス学科教授)