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豊島岡女子学園中学校高等学校第2回キャリアイベント報告


ダイバーシティ推進委員・企画広報担当理事 星野由紀子


 日本ロボット学会ダイバーシティ推進委員会主催にて、豊島岡女子学園中学校高等学校向けキャリアイベント「ロボット研究の現場を感じよう!」を開催いたしました.下記の通り報告いたします.


1. 開催概要

日時:2023年6月10日(土)
中学3年生および高校1年生の生徒の内希望者31名


4グループ分かれて見学・体験を行った。途中昼休みには女子学生との交流も行う。


実験:ロボットの対話実験(アンケートあり)
B2:生活支援ロボット(アンケートあり)
見学1:等身大ヒューマノイドの見学
見学2:大学の学生実験紹介など。


2.開催体制

主催:日本ロボット学会ダイバーシティ推進委員会
協力:東京大学大学院工学系研究科知能機械情報学専攻 情報システム工学研究室

3. 開催経緯

 女性のロボット研究者・技術者が少ない現在の状況を打開するため、女子中高生にロボットが活躍する現場やロボット研究開発の現場を体験してもらい、将来のキャリア選択にロボット技術者を入れてもらえるようにするためイベント実施をダイバーシティ推進委員会で検討。その際、理系教育に力を入れている女子中高一貫校である、豊島岡女子学園に企画を聞いてもらう機会を得た。担当の先生より、理工系キャリアの具体的イメージをつかむための体験型のイベントを実施したいというニーズを聞き、一から共同で企画を考えてキャリアイベント実施を行っている。第一回のキャリアイベント後のアンケートにて、キャリアパスに関する要望などがあったため、今回、大学の研究室の見学を企画した。ロボットの実機がたくさん見られる研究室で、女子学生が複数名いる研究室として、東京大学の情報システム工学研究室に協力を依頼、快諾をしてもらい実施に至った。


4. 開催内容

<研究室紹介>

最初に東京大学大学院工学系研究科知能機械情報学専攻岡田教授より研究室で行っている研究やメンバーの紹介や、大学はどういうところか、進路選択の話等をきいた。



その後4つの班に分かれて見学実施。


<実験>

 対話実験を行った。ロボットと話をしながら、お菓子を一緒に食べるという実験であったが、班によって条件を変更して行い、アンケート調査を行った。


<生活支援ロボット>

 たくさんロボットがいる部屋に行き、生活支援ロボットを見た。言葉で指示をすると冷蔵庫からジョージアの缶をとってくるロボットや、手をつないで移動するロボット、箱の包装をするロボット、お散歩ができる引き綱のついた四足歩行ロボットなどを見学した。また、AIBOやLovotなどもいた。


 


<人間型ロボットの見学>

 小島先生が人間型ロボットの説明や、制御をする際に運動方程式や三角関数と関係があるという話をした。人間型ロボットはセグウェイにのるという実演をした。


<学生実験についての説明>

 4年生の女子学生二人と岡田先生とで、大学生の生活についてや学生実験・演習についての説明があった。また2人の学生が3年生の実験で作ったものを紹介しながら、自分のこれまでの人生についても話をしてくれた。


<解説>

 すべての実験・見学が終わったところで、学生の人2人が、アンケート調査を行った実験の解説をしてくれた。それぞれ何を調べていたのか、事前アンケートの結果はどうであったかということを話してくれた。また、研究の組み立て方についても話をしてくれた。


<昼休み等>

 昼休みには、各班に一人ずつ女子学生さんがついてくれて一緒にごはんを食べた。リラックスした雰囲気でいろいろ質問や交流ができるように企画してくれていた。また、解説の際には、各テーブルにお菓子と飲み物があり、くつろいだ雰囲気で解説がきけるようにと気を配ってもらっていた。


 イベント実施後のアンケートから、今回も満足度は高く、大学での研究はどのようなことをやるのか、また将来自分がどのようなキャリアを歩むかのイメージが少しできたというような感想をもらった。学生とも交流ができ、話ができたのがよかったようである。また、やはりロボットが動くところを見るコンテンツがの評価が高かった。今後については、ロボットを作りたい、ロボットの技術について知りたいという意見が多く出ているため、そのようなイベントの企画を考えつつ、工学系の仕事やロボットが活躍する現場、ロボット企業などの見学のニーズもあるため、別の場所の見学等も考えていきたい。


 以下に代表的なアンケート結果をいくつか載せる。