日本ロボット学会ヒューマノイド・ロボティクス研究専門委員会
2023年度活動報告書 / 2024年度活動計画書
2023年9月6日
委員長 杉原知道
【活動目的】
我が国の人型ロボット研究における技術水準の向上、組織を超えて忌憚なく議論できるコミュニティの育成、真に有用な人型ロボット開発を追求する機運の醸成を目的とし、次の活動を行う。
- 委員間の勉強会(年4回程度)、重要と思われる研究発表の輪読 or 発表者ご本人を招待したセミナー
- 委員による初学者向け基礎セミナー&中級~上級者向けセミナー(ヒューマノイド・ロボティクス夏の学校)
- 勉強会およびセミナーの内容を含む学術誌特集号企画、テキスト発刊
- 学会員向けチャレンジプログラム企画、研究用プラットフォームや共用実験フィールドの検討
- コミュニティメディアの運営(ヒューマノイド・ロボティクス・コンソーシアム)
【メンバー】
- 杉原知道(オムロン株式会社) 委員長
- 森澤光晴(産業技術総合研究所) 副委員長
- 橋本健二(早稲田大学) 副委員長
- 鮎澤光(産業技術総合研究所)
- 小澤隆太(明治大学)
- 上岡拓未(オムロン株式会社)
- 神永拓(産業技術総合研究所)
- 玄相昊(立命館大学)
- 田原健二(九州大学)
- 野沢峻一(株式会社MUJIN)
- 田﨑勇一(神戸大学)
- 中西淳(名城大学)
- 舛屋賢(宮崎大学)
- 水内郁夫(東京農工大学)
- 室岡雅樹(産業技術総合研究所)
- 山本江(東京大学)
- Gentiane Venture(東京大学)
【2023年度活動実績】
- (2024. 3.16 Humanoid Virtual Athletics Challenge Main challenge)
- 2023.11.11 Humanoid Virtual Athletics Challenge Preliminary Competition Event
- 2023. 9.24 Humanoid Virtual Athletics Challenge技術講習会
- 2023. 3.14 第16回勉強会(Zoom)
- 2023. 2.28 第15回勉強会(Zoom)
米国・中国を中心に商用人型ロボットの開発が活発化する中、日本はそれに逆行してアカデミア・産業界ともにトーンダウンしている。委員会の活動内容も大きく見直す必要があると感じ、例年行っているヒューマノイド・ロボティクス夏の学校と、ロボット学会学術講演会でのオーガナイズドセッションはともに企画を見送った。
そのような中で、田崎委員が中心となりHumanoid Virtual Athletics Challengeの実施を計画している。これは、人型ロボット研究者ならびに学生間の技術情報交換促進を目的としたもので、内容ならびに開催次第はウェブページにて公開している。
シミュレータ(Choreonoid)上に歩行だけでは移動困難なアスレチックフィールドを構築し、全身の協調によってロボットに踏破させるのが主たる競技内容で、今年は過去2年よりも大幅に難易度の高いコースを用意した。これに加え、ダンス競技部門、20m短距離走部門も設定した。開催に当たってはChoreonoid配布元である株式会社コレオノイド、ならびに川崎重工にご協力頂いている。
来年3月16日のMain challenge開催に向けて、今年9月24日に参加者向け技術講習会、11月11日にPreliminary Competition Eventを実施する予定である。
委員の勉強会
人型ロボットの開発にかかわる最先端技術を学ぶ目的で、委員によるオンライン勉強会を2回行った。内容は次の通りである。
第15回勉強会 担当:舛屋委員
Matrix Lie Groupを用いた拡張カルマンフィルタによる姿勢推定に関する論文紹介
DILIGENT-KIO: A Proprioceptive Base Estimator for Humanoid Robots using Extended Kalman Filtering on Matrix Lie Groups, Prashanth Ramadoss, Giulio Romualdi, Stefano Dafarra, Francisco Javier Andrade Chavez, Silvio Traversaro, Daniele Pucci, in Proceedings of the 2021 IEEE International Conference on Robotics and Automation, pp. 2904-2910, 2021.
第16回勉強会 担当:室岡委員
モデル予測制御による種々の二脚運動軌道計画/制御の委員自身による実装紹介と比較
https://github.com/isri-aist/BaselineWalkingController
それぞれの委員の活動環境・活動状況変化によって、従前の頻度を維持するのが難しくなりつつある。勉強会自体は大きな意義があるものなので、委員会活動全体の活動を見直す中で、これについても実行可能な計画を再検討する。
【今年度活動計画】
- 人型ロボット研究をとりまく世界情勢を受けての委員会活動の在り方再考
- Humanoid Virtual Athletics Challengeの実施
- 委員での勉強会3回以上実施