「ソフトロボット学の「これまで」と「これから」」特集について
日本ロボット学会誌42巻5号「ソフトロボット学の「これまで」と「これから」」
【随想】
- ロボットから生き物へ(鈴森 康一)
- ソフトハンド:構想,設計から製作,適用まで(平井 慎一)
- ソフトロボットの制御(望山 洋)
- ソフトロボット学の体系化~ソフトロボット物質学(福田 憲二郎)
- ケミカルマシン(前田 真吾)
- ペーパーメカトロニクスから見たソフトロボティクス(重宗 宏毅)
- ソフトロボティクスと“自律性”・“恒常性”への挑戦(難波江 裕之)
- 釣糸人工筋肉のロボット応用から考えるソフトロボティクス(舛屋 賢)
- 劣駆動とソフトロボット学(新竹 純・多田隈 建二郎)
ソフトロボット学,あるいはソフトロボティクスは,一言で言うと柔らかいロボットを創造しようとする研究分野です.
ソフトロボット学は2010年前後から国内外で急速な発展を見せており,ロボット工学や材料科学,電子工学,さらには情報工学といった様々な学問分野にまたがる,学祭的な研究が日々推進されています.また,それらに付随した新たな研究領域も創成されています.社会実装も進められており,将来的には社会や私たちの日常生活において,様々な場面でソフトロボットが活躍することが期待されています.
日本における近年のソフトロボット学の取り組みとしては,新学術領域研究「ソフトロボット学」が代表的です.本特集は,同領域が2023年度で完了したことを一つの節目と捉え,領域内外の研究者におけるソフトロボット学の「これまで」と「これから」を,知見や展望,提言として伝えることを目的としました.そのため,各論文は自由な形式を取ることのできる,随想を基本としました.本特集が,ロボット学に取り組んでおられる研究者の方々に,何らかの形でお役に立てれば幸いに思います.また,ソフトロボット学のさらなる発展に資することを期待しています.
本特集は多くの研究者の方々にご寄稿いただきました.ソフトロボット学の活気を実感しています.寄稿いただいた論文数の関係上,本特集は2号に分けることとしました.執筆者,編集委員,および事務局の皆様に大変なご助力をいただき,本特集の成立に至りました.この場を借りて厚く御礼申し上げます.
(新竹 純 電気通信大学)