「ソフトロボット学の「これまで」と「これから」」特集について
日本ロボット学会誌42巻6号「ソフトロボット学の「これまで」と「これから」II」
- ソフトロボット学の人間的側面(新山 龍馬)
- 柔らかさと複雑さを活かしたソフトロボットの創り方(梅舘 拓也)
- 実用的なソフトロボットを目指して(中村 太郎)
- ロボットと生物をつなぐ(清水 正宏)
- バイオハイブリッドソフトロボットの将来展望(森本 雄矢)
- バイオミメティクスから見たソフトロボット学(田中 博人)
- テンセグリティ・ロボット:身体における柔らかさのベクトル設計(池本 有助)
- ソフトロボティクスのための知能(林部 充宏)
- ソフトロボット学での研究とその宿題(中嶋 浩平)
- ソフトロボティクスについて思うこと(新竹 純)
ソフトロボット学,あるいはソフトロボティクスは,一言で言うと柔らかいロボットを創造しようとする研究分野です.
ソフトロボット学は2010年前後から国内外で急速な発展を見せており,ロボット工学や材料科学,電子工学,さらには情報工学といった様々な学問分野にまたがる,学祭的な研究が日々推進されています.また,それらに付随した新たな研究領域も創成されています.社会実装も進められており,将来的には社会や私たちの日常生活において,様々な場面でソフトロボットが活躍することが期待されています.
日本における近年のソフトロボット学の取り組みとしては,新学術領域研究「ソフトロボット学」が代表的です.本特集は,同領域が2023年度で完了したことを一つの節目と捉え,領域内外の研究者におけるソフトロボット学の「これまで」と「これから」を,知見や展望,提言として伝えることを目的としました.そのため,各論文は自由な形式を取ることのできる,随想を基本としました.本特集が,ロボット学に取り組んでおられる研究者の方々に,何らかの形でお役に立てれば幸いに思います.また,ソフトロボット学のさらなる発展に資することを期待しています.
本特集は多くの研究者の方々にご寄稿いただきました.ソフトロボット学の活気を実感しています.寄稿いただいた論文数の関係上,本特集は2号に分けることとしました.執筆者,編集委員,および事務局の皆様に大変なご助力をいただき,本特集の成立に至りました.この場を借りて厚く御礼申し上げます.
(新竹 純 電気通信大学)