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日本ロボット学会誌43巻8号「移動ロボット制御理論の新展開」


 

「移動ロボット制御理論の新展開」特集について

日本ロボット学会誌43巻8号「移動ロボット制御理論の新展開」

 

【解説】

  • 制御バリア関数による安全性を保証した移動ロボット群の分散制御(伊吹 竜也)
  • 制御バリア関数に基づく持続的被覆制御の設計と実践的展開(檀 隼人)
  • 確率推論に基づくモデル予測制御入門(本田 康平)
  • 宇宙機の姿勢制御問題におけるLPV 制御理論の応用(佐々木 貴広)
  • 冗長ドローンにおける制御分配器や耐故障適応制御設計(川口 夏樹)
  • 厳密な線形化を用いたクアッドコプタの制御(関口 和真)
  • 先進的スライディングモード制御理論によるドローンのロバスト制御(鈴木 智)
  • ヒューマノイドロボットの移動制御:2足歩行からロコマニピュレーションまで(室岡 雅樹) 

 

 ここ数十年にわたり我々の生活に欠かせない自動車をはじめ,近年ではドローンの活用・進化も目覚ましく,「移動ロボット」の実応用例は物流をはじめ産業・社会のあらゆる場面に広がっています.さらに,移動ロボットの多様化や多目的化に伴って,移動ロボット技術を支える制御理論もまた新たな展開が見られます.
 制約条件を保証するセーフティクリティカル制御という分野も,歩行ロボットに関する研究をはじめ,様々な移動ロボットを対象として発展してきました.制御理論の主要な研究分野の一つである最適制御理論,特にモデル予測制御(MPC)についても,計算機の性能向上により,移動ロボットへの応用範囲が拡大しています.さらに理論的にも,サンプリングに基づく手法や情報理論ベースのアプローチなど,様々な発展が報告されています.また,複数台のロボットを用いた協調制御も広く展開されており,持続的な運用の観点からセーフティクリティカル制御の応用も進められています.
 本特集では,移動ロボットに対する制御理論に関する解説記事を,制御理論・対象ロボットの両面から幅広い観点でご寄稿いただきました.特に,近年の移動ロボット分野で大きな注目を集めているドローンについては,多くの記事により理論的展開と応用事例が解説されています.さらに,宇宙機やヒューマノイドロボットといった,移動ロボットの多様な形態に関する応用についてもご解説いただいています.
 本特集が,移動ロボットを対象とした高度な制御理論研究の発展の一助となることを期待しています.最後に,ご多用のところ解説記事をご執筆いただいた著者の皆様,ならびに本特集の実現にご尽力いただいた日本ロボット学会誌編集委員・学会事務局の皆様に厚く御礼申し上げます.(仲野聡史 名古屋工業大学)