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活動報告2024:災害対応ロボティクス委員会


災害対応ロボティクス委員会の活動目的は、災害に関連する56学協会が参加する防災学術連携体のメンバー学会としてロボット学のプレゼンスを示すとともに、他学協会との連携を検討することである。具体的には、これまでに検討してきた日本災害医学会との連携を具体化し実行する。また、学術講演会における日本災害医学会とのジョイントセッションなどの企画を検討する。なお、日本災害医学会内にも「日本ロボット学会との医工連携委員会」が立ち上げられている。


災害対応ロボティクス委員会の2024年の活動は以下の3点である。

  1. 令和6年度第1回医工連携会議(6月17日)
  2. 日本ロボット学会学術講演会でのSpecial Session 「災害医学とロボティクス」(9月5日)
  3. 令和6年度第2回医工連携会議(11月19日)


以下、各項目について概要を説明する。


(1) 令和6年度第1回医工連携会議(6月17日)

2024年6月17日の17:00~18:00にZoomのオンラインMTGとして開催された。日本災害医学会から6名、日本ロボット学会から10名が参加した。本医工連携会議の趣旨説明が周知され、新規参加委員のため改めて自己紹介が行われた。その後、令和6年能登半島地震の経験を踏まえたロボット技術の活用についての検討が行われた。この検討に基づき今後の災害医療に向けたロボットの草案についての議論を行い、今後の方針についても策定した。

最後に日本ロボット学会学術講演会でのスペシャルセッションについての企画内容が検討され、2025年3月の第30回日本災害医学会学術集会についても周知された。


(2) 日本ロボット学会学術講演会でのSpecial Session 「災害医学とロボティクス」(9月5日)

2024年9月5日の9:00~12:00に大阪工業大学梅田キャンパスの常翔ホールにて日本災害医学会の先生方をお招きしてスペシャルセッションを実施した。以下がそのプログラムである。

9月5日(木)D室(3F 常翔ホール)
  • 9:00~9:36 一般講演
  • 9:36~9:45 休憩 + 趣旨説明
  • 2D1-04 9:50〜 【基調講演】災害医療における課題への対応-情報管理、安全管理、資源不足への対応 ○若井 聡智(DMAT事務局) 矢嶋 祐一(DMAT事務局) 長橋 和希(東京曳舟病院)
  • 2D1-05 10:14〜 【基調講演】COVID-19と能登半島地震と医工連携 ○本村 友一(日本医科大学千葉北総病院救命救急センター)
  • 2D1-06 10:38〜 【招待講演】ロボット技術による災害医療支援 ○淺間 一(東大)
  • 2D1-07 11:02〜 【招待講演】災害医学への飛行ロボットの役割と展望 ○野波 健蔵(先端ロボティクス財団)
  • 2D1-08 11:26〜 【招待講演】災害救助におけるロボティクスの活用 ○田所 諭(東北大)
  • 11:51~12:00 自由討論


3件の一般講演があったのちに、松野委員長から本スペシャルセッションの趣旨説明が行われ、日本災害医学会側から2件の基調講演、日本ロボット学会側から3件の招待講演が行われた。各先生の発表時の様子の写真を以下に示す。最初に若井先生と長橋先生により基調講演が行われ、若井先生はDMAT(Disaster Medical Assistance Team)全体について、長橋先生から実際の災害現場でのDMATの活動についての講演があった。次に、本村先生よりドローンの活用を中心としたDMATの活動についての講演があった。その後、日本ロボット学会側から3名の先生により災害対応ロボットの技術開発についての講演があった。最後に、以上5件の講演を踏まえた討論が行われた。会場には100名ほどの聴講者が参加していた。

日本災害医学会側からの災害医療における課題やその対応についての講演、日本ロボット学会側からの災害対応ロボットのこれまでの開発と今後についての講演を通じて、今後の連携に向けての相互理解を深めることができた。

 


図 発表の様子。1行目は左から若井先生、長橋先生、本村先生(オンライン参加)、2行目は左から淺間先生、野波先生、田所先生の写真である。


(3) 令和6年度第2回医工連携会議(11月19日)

2024年11月19日の17:15~18:15にZoomのオンラインMTGとして開催された。日本ロボット学会学術講演会でのスペシャルセッションについての振り返りから議論が始まり、相互理解の重要性と、焦点を当てるべきDMATの活動についての意見交換が行われた。

そのなかで、さらに相互理解を深めるため互いのサイトビジットをしてみてはどうかという提案や、災害医療側が求めること(ニーズ)とロボット側が提供できること(シーズ)のマッチングが必要ではないか、との議論があった。ニーズとシーズのマッチングという点では、日本災害医学会側の本村先生を中心に、日本災害医学会側のニーズの取りまとめが宿題となった。(本宿題は本村先生から12月5日に会議参加者全員に提出済みであり、災害医療のニーズがまとめられた貴重な資料である)

最後に、2025年3月6~8日に名古屋で開催される第30回日本災害医学会学術集会における、日本ロボット学会との合同セッションについて議論した。90分間で5名の発表を想定しており、誰に発表してもらうか(ニーズに対するシーズ側の適任者)ということを中心に議論が行われ、候補者を決定した。