「女子中高生夏の学校2025」(以下,夏学2025)は,全国から集まった女子中高生が3日間のプログラムを通じて理工系への興味や関心を深め,進路選択について考えるイベントです.日本ロボット学会(以下,RSJ)は,コミュニケーションロボットを用いた実験と,ロボット分野の学びや仕事を紹介するポスター発表を担当しました.本稿では,当日の様子を報告します.
夏学2025の概要
- 開催日:2025/8/9(土)~11(月・祝)
- 場所:国立オリンピック記念青少年総合センター(東京・代々木)
- 参加生徒数:90名
- 主催者:NPO法人女子中高生理工系キャリアパスプロジェクト
- RSJ担当者(五十音順):太田葵(産総研),香月理絵(RSJダイバーシティ推進委員・Astemo(株)),中根葵(東京大学),星野由紀子(RSJダイバーシティ推進委員・川田テクノロジーズ(株)),宮田なつき(RSJダイバーシティ推進委員・産総研)
- 参考:女子中高生夏の学校2025の報告書(https://natsugaku.jp/2025/09/19/natsugaku2025report-2/)
コミュニケーションロボットを用いた実験
実験は,8月10日(日)9:00から11:30まで実施しました.参加者は抽選で選出された5名です.
参加者が小型のコミュニケーションロボット「スタックチャン」を組み立て,マイコン「M5Stack」にファームウェアを書き込みました.その後,スタックチャンを動かしたり表情を変えたりして,操作に応じた反応を体験しました.さらに,GPT-4o-miniを介した対話も行い,ロボットがAIモデルを利用して応答する様子を確認しました.
参加者は,ロボットの構造やプログラムの動作を実際に確認しながら理解を深めました.「組み立て作業が楽しかった」「スタックチャンの頭の中(ログ)が見られてうれしかった」といった感想も寄せられました.また,参加者同士で写真を撮り合うなど,実験をきっかけに積極的な交流も生まれました.

対話の仕組みを説明

スタックチャンの組み立て
ロボット分野を紹介するポスターの展示
ポスター展示は,8月10日(日)13:00から15:10まで実施しました.展示では,さまざまなロボットを紹介するとともに,ロボットを作るために必要な学びについて解説しました.さらに,ロボットを学んだり仕事にしたりすることの具体的なイメージを持ってもらうため,大学院生や社会人の1日を紹介しました.あわせて,ロボットのデモと操作体験も行い,説明を聞くだけでなく実際に触れられる機会を設けました.
実験参加者や抽選に漏れた生徒を含め,多くの来場者がブースを訪れました.ロボットとの触れ合いを通じて,ロボットを身近で親しみやすいものとして感じてもらうことができました.また,大学院生や若手研究者であるポスター発表者との対話により,大学でロボットを学ぶことの具体的なイメージを生徒に持ってもらう機会となりました.夏学TAや他の展示者との活発な対話も生まれ,ロボット技術やRSJへの関心の喚起につながりました.

自作ロボットの説明

スタックチャンとのふれあい
まとめ
今回の活動は,「かわいい」ロボットを通じて,女子中高生とロボット分野との心理的な距離を縮める機会となりました.参加者が組み立てや体験を楽しむ様子から,実物に触れることが関心を高めるきっかけになることを確認できました.一方で,生徒のロボットに関する事前知識は全体的に少なく,ロボット分野の学びや進路をより具体的に伝える必要性も感じました.今後も継続的に夏学に参加し,ロボットの魅力をわかりやすく発信していきたいと考えています.
文責:香月 理絵(日本ロボット学会ダイバーシティ推進委員会)


