「女子中高生夏の学校2026」(以下,夏学2026)は,全国から集まった女子中高生が3日間のプログラムを通じて理工系への興味や関心を深め,進路選択について考えるイベントです.日本ロボット学会(以下,RSJ)は,夏学2024から数えて3回目の参加となり,夏学2026も例年と同様にコミュニケーションロボットを用いた実験と,ロボット分野の学びや仕事を紹介するポスター発表を担当しました.本稿では,当日の様子を報告します.
夏学2026の概要
- 開催日:2026/8/8(土)~10(月)
- 場所:国立オリンピック記念青少年総合センター(東京都渋谷区)
- 参加生徒数:約100名
- 主催者:NPO法人女子中高生理工系キャリアパスプロジェクト
- RSJ担当者(五十音順):太田葵(RSJダイバーシティ推進委員・産総研),香月理絵(RSJダイバーシティ推進委員・Astemo(株)),星野由紀子(RSJダイバーシティ推進委員・川田テクノロジーズ(株)),宮田なつき(RSJダイバーシティ推進委員・産総研),吉池由奈(東京農工大)
- 参考:女子中高生夏の学校の公式サイト(https://natsugaku.jp/)
実験「コミュニケーションロボット『スタックチャン』を動かそう!」
実験は,8月9日(日)9:00から11:30まで実施しました.参加者は抽選で選出された7名です.
実験の内容は昨年度を踏襲しました.参加者が小型のコミュニケーションロボット「スタックチャン」を組み立て,マイコン「M5Stack」にファームウェアを書き込みました.その後,スタックチャンを動かしたり表情を変えたりして,操作に応じた反応を体験しました.さらに,GPT-4o-miniを介した対話も行い,ロボットがAIモデルを利用して応答する様子を確認しました.
今年は,昨年多くの参加者がつまずいた箇所についてテキストの説明を補い,難度の高い作業はあらかじめ済ませたうえで,当日の支援体制も強化して臨みました.その効果もあり,組み立ては昨年よりも円滑に進み,参加者は時間を忘れて作業に没頭している様子でした.完成したスタックチャンが「ずんだもん」の声で自ら話しかけてくると,参加者からは「かわいい」と歓声が上がりました.

スタックチャンを組み立てる様子

組み立てたスタックチャンとのふれあい
ロボット分野を紹介するポスターの展示
ポスター展示は,8月9日(日)13:00から15:10まで実施しました.ポスターを,実ロボットの写真を多く採用したものへと大幅に刷新し,ロボットを作るために必要な学びについて解説しました.さらに,ロボットを学んだり仕事にしたりすることの具体的なイメージを持ってもらうため,大学生や社会人の1日を紹介しました.昨年は実際に動くロボットに人気が集まったことを踏まえ,今年はデモと体験の種類を増やしました.
動くロボットが目を引き,体験やデモをきっかけにポスターの前での会話が生まれました.特にスタックチャンのプログラミング体験とモータ操作体験は,自分の操作で動きが変わることを実感できる点が好評でした.また,教育や人材育成に携わる来訪者からも関心が寄せられました.

ポスターを説明する様子

ポスターの説明員
まとめ
昨年に引き続き,今年もロボットを自ら組み立て,動かし,「かわいい」と感じる経験を通じて,女子中高生とロボット分野との心理的な距離を縮める機会となりました.また,教育や人材育成に携わる方々からも関心が寄せられ,RSJが進めている中高生向け教育活動をこうした場へ展開できる可能性も感じています.今後も,ロボットを進路の選択肢の一つとして知ってもらう活動を,今後さらに多くの場へ広げていきたいと考えています.
文責:香月 理絵(日本ロボット学会ダイバーシティ推進委員会)


