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日本のロボット研究の歩みHistory of Robotics Research and Development of Japan1996Business〈企業の研究開発〉双腕知能ロボットによるミニロボット自動組立システム


榊原 伸介ファナック株式会社

この論文は、ロボット研究開発アーカイブ「日本のロボット研究開発の歩み」掲載論文です。

ファナックでは,製造工程の中で加工に比べ自動化が遅れている組立作業を自動化するべく,1990年代初めから挑戦を開始し,精密機械部品の組立作業を行う双腕知能ロボットを開発した。また,このロボットがミニロボットを自動的に組み立てるシステムを開発し,ファナックのロボット組立工場において1996年5月より実稼動させることに成功した。本システムは,文字どおり「ロボットがロボットを作る」システムとなっている。
この双腕ロボットは,両腕の手首に力センサおよび3次元視覚センサを搭載し,クリアランス10μm以下の高精度組立作業を行うことができる。機構部は,走行部に高速,高精度のリニアモータを採用し,双腕が分離,合体できる作業性の高い構造とした。また,双腕知能ロボットに組立技能(スキル)を統合したことにより,専用の周辺装置がほとんど不要となり,採算性の高い自動組立システムを実現することができた。
生産システムは,FMS,CIMと発展し,21世紀にはIMS(知的生産システム)が必要と言われているが,本システムは,熟練作業者クラスの高精度組立作業を実現する,きわめてIMS的な自動組立システムと言える。

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対応論文


S.Sakakibara, A.Terada and K.Ban:An Innovative Automatic Assembly System Where a Two-armed Intelligent Robot Builds Mini Robots (PDF, 1.8MB)

27th International Symposium on Industrial Robots (ISIR), pp.937-942, 1996

関連論文


[1] S.Inaba: Assembly of Robots by AI Robot, 22nd IEEE International Conference on Industrial Electronics, Control, and Instrumentation (IECON) , Vol.1, pp.xxxv-xl, 1996

[2] 榊原: ロボットコントローラの知能化,日本ロボット学会誌,第14巻6号,pp.796-799, 1996

[3] 榊原: 組立システムにおける制御技術,精密工学会誌,第63巻11号,pp.1510-1514, 1997

[4] S.Sakakibara, K.Takizawa, K.Ban and Y.Furukawa: Promotion of Assembly Automation by the Intelligent Robot, 29th International Symposium on Industrial Robots, 1998