日本のロボット研究の歩みHistory of Robotics Research and Development of Japan1996Business〈企業の研究開発〉インクリメンタルエンコーダを用いた減速機構を持つロボットアームの絶対位置検出方法の開発
平林 友一 | セイコーエプソン株式会社 |
宮澤 比呂之 | セイコーエプソン株式会社 |
小谷 憲昭 | セイコーエプソン株式会社 |
この論文は、ロボット研究開発アーカイブ「日本のロボット研究開発の歩み」掲載論文です。
減速機構を備えたロボットアームの関節角度をインクリメンタルエンコーダで計測する場合,関節角度を初期化するための原点復帰が必要である.この原点復帰では,減速機出力軸側に設置したON/OFFセンサが反応する位置までアームを移動させ,関節角度を初期化するのが一般的な方法である.この方法では,原点復帰時に固定された1点に移動しなくてはならないため, 周辺装置レイアウトの自由度が制約されるという問題点が存在する.
この問題を解決するため,インクリメンタルエンコーダのZ相出力とON/OFFセンサ出力エッジの位置関係を関節角度の絶対位置検出に利用することで,従来の方法に対してスリット形状の変更とソフトウェア対応により,不可能と考えられていた複数の位置での原点復帰を可能とし,実用化することに成功した.
1996年 第1回日本ロボット学会実用化技術賞受賞