日本のロボット研究の歩みHistory of Robotics Research and Development of Japan1991Integration, Intelligence, etc.〈インテグレーション・知能ほか〉環境モデルと作業スキルの統合に基づくロボット作業システム
長谷川 勉 | 電子技術総合研究所 (現 九州大学) |
末広 尚士 | 電子技術総合研究所 (現 産業技術総合研究所) |
高瀬 國克 | 電子技術総合研究所 (現 電気通信大学) |
この論文は、ロボット研究開発アーカイブ「日本のロボット研究開発の歩み」掲載論文です。
作業動作の直接教示とその再生に代る新しいロボット制御の枠組として,作業環境を記述する環境モデルとハイブリッド制御機能に基づく作業スキルとの統合の概念を提案し,これに基づいてマニピュレーションシステムを開発した。本研究により,従来きわめて困難であったハイブリッド制御による作業のプログラミングがモデルとスキルの統合により容易になること局所的戦略であるスキルがうまく実行できる位置までは,環境モデルのデータにより位置制御され,さらに実行時の誤差や不確定事象が作業スキルに吸収されて,確実に作業できること。を実例を示して明らかにした。さらに本システムを核として発展させることにより,現場でのチューニングが不要で,安全な遠隔において,モデル生成から作業実行までの一貫した操作が可能となる見通しを得た[4]。
実験画像は,ポンプの分解と内部の弁の交換作業の様子を示している。はじめにあらかじめ生成されたポンプのモデルが表示される。次に,作業台上の交換弁ホルダの位置と姿勢の教示が行われた後,ポンプのボルトはずし,内部弁の引き出し,新弁の交換が順次実行される。
第7回(1993年)日本ロボット学会論文賞受賞