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日本のロボット研究の歩みHistory of Robotics Research and Development of Japan1983Locomotion〈ロコモーション〉動的二足歩行ロボットの動歩行制御に関する研究


古荘 純次大阪大学、岐阜大学(現:福井工業大学)
佐野明人岐阜大学(現:名古屋工業大学)

この論文は、ロボット研究開発アーカイブ「日本のロボット研究開発の歩み」掲載論文です。

人間の自然な歩行は,重力場における倒立振子としての運動を連続的に行うことによって形成される。この歩行では,膝は支持脚相において徐々に伸ばされ股関節はほぼ円弧軌道を描き,次に蹴り動作が行われる。本研究はこの人間型の歩行をロボットで実現することを目的として実施され,以下の成果を得た。

  1. 新しい低次元モデルの提案およびそれを用いた階層制御策による歩行制御
  2. 角運動量を指標とした歩行制御方式の提案および実験による検証
  3. 両脚支持期および単脚支持期において蹴り動作を行う歩行の実現。

健脚1型は,脚長0.64m,重さ約30kgの5リンクの2足歩行ロボットであり,腰関節と膝関節がサーボモータで駆動される。健脚1型は1歩約0.45秒,歩行速度0.8m/sのダイナミックな歩行を実現した。

健脚2型は,高さ1.1m,脚長0.7m,重さ40kgの7リンクの2足歩行ロボットである。歩幅0.35~0.45m,1歩0.7~1秒の両脚支持期に蹴り相のある歩行を実現した。

BLR-G3は10自由度を持つ歩行ロボットであり,重さ27.5kg,全高1.02mである。両脚支持期および単脚支持期に蹴り動作を行う歩幅約0.3m,歩行速度約0.3m/sの動歩行を実現した。

1996年日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス部門業績賞

写真1 健脚1型
写真1 健脚1型
写真2 健脚2型
写真2 健脚2型
写真3 BLR-G3
写真3 BLR-G3

動画


対応論文


古荘 純次:動的二足歩行ロボットの制御(その低次元モデルおよび階層制御策), (PDF, 0.9MB)

日本ロボット学会誌, 第1巻, 3号, pp.182-190, 1983.

関連論文


[1] 古荘,森塚,増淵:局所フィードバックの概念を考慮した2足歩行の低次元モデル,計測自動制御学会論文集,Vol.17,No.5,pp.596-601,1981.


[2] J. Furusho and M. Masubuchi: Control of a Dynamical Biped Locomotion System for Steady Walking, Trans. ASME, J. of Dyn. Sys. Mes. and Control, Vol.108, No.2, pp.111-118, 1986.


[3] 古荘,山田:角運動量を考慮した2足歩行ロボットの動的制御(両脚支持期に蹴りを行う歩行),計測自動制御学会論文集,Vol.22,No.4,pp.451-456,1986.


[4] J. Furusho and M. Masubuchi: A Theoretically Motivated Reduced Order Model for the Control of Dynamic Biped Locomotion, Trans. ASME, J. of Dyn. Sys. Mes. and Control, Vol.109, No.2, pp.155-163, 1987.


[5] J. Furusho and A. Sano: Sensor-Based Control of a Nine-Link Biped, Int. J. Robotics Research, Vol.9, No.2, pp.83-98, 1990.


[6] 佐野,古荘:角運動量制御による2足歩行ロボットの3次元動歩行,計測自動制御学会論文集,Vol.26,No.4,pp.459-466,1990.