日本のロボット研究の歩みHistory of Robotics Research and Development of Japan1989Locomotion〈ロコモーション〉4足歩行ロボットの動歩行制御
古荘 純次 | 大阪大学 |
佐野 明人 | 名古屋工業大学 |
この論文は、ロボット研究開発アーカイブ「日本のロボット研究開発の歩み」掲載論文です。
多くの4足歩行動物は、よほど遅い歩行を除いて動歩行を行っている。この動歩行がどのように制御されているかは、現在でもほとんど解明されていない。本研究では、歩行ロボットによる動歩行の実現を目的として、歩行ロボットの力学的解析、それにもとづく制御方式の提案、および歩行ロボットによる実験的検討を行った。対象とした歩行は、トロット歩行、ペース歩行、バウンス歩行および歩行の遷移である。歩行の遷移においてはクロール歩行からペース歩行への遷移を行った。これらの研究は、現時点で見ても他に類例が少ないと言える。
主要な研究事項は下記の通りである.
(1) 擬似角運動量の提案
(2) 通常行われている胴体速度一定の歩行ではない重力場に従った動歩行制御
(3) 動歩行へのコンプライアンス制御の導入
(4) ペース歩行の解析およびクロール歩行からペース歩行への歩行の遷移
(5) 関節型ロボットによるバウンスおよびギャロップの実現
1996年 日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス部門業績賞受賞