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日本のロボット研究の歩みHistory of Robotics Research and Development of Japan1997Manipulation〈マニピュレーション〉並列処理型センサベースドマニピュレーションシステム:匠


北垣 高成電子技術総合研究所
末広 尚士新情報処理開発機構組合
小笠原 司電子技術総合研究所
劉 雲輝香港中文大学

この論文は、ロボット研究開発アーカイブ「日本のロボット研究開発の歩み」掲載論文です。

拡張性とリアルタイム性の確保を目指して並列処理型マニピュレーションシステムを開発した.本システムは,多数台のトランスピュータを用いて構成されたマルチエージェントベーストシステムであり,その特徴は以下の通りである。

  1. 上位レベルのインテリジェントシステムから下位レベルのリアルタイム性を強く要求されるサーボシステムに渡る統合的なマニピュレータ制御が可能であること。
  2. 様々な手法を蓄積でき,かつ,システムに悪影響を及ぼすことなくそれらを利用できるような柔軟性を有すること。
本論文では,まず,センサからアクチュエータまでのデータ処理を分類することで得られたシステム設計の際に考慮すべき点が示され,それに基づいた設計指針が述べられる.次に,本システムのハードウェア,ソフトウェアが詳しく記述される.そして,ダイレクトドライブマニピュレータETA3s用プロトタイプシステムが紹介される.低コストで開発された適応制御および疑似接触点モニタリングの2つの異なる研究のための拡張システムにより本システムの有効性が示される.

第12回(1998年)日本ロボット学会論文賞受賞

コントロールシステム(左:イーサネットインターフェース,中:トランスピュータモジュール用ラック,右:サーボドライバ)
コントロールシステム(左:イーサネットインターフェース,中:トランスピュータモジュール用ラック,右:サーボドライバ)
適応制御実験の様子
適応制御実験の様子
疑似接触点モニタリング実験の様子
疑似接触点モニタリング実験の様子

動画


対応論文


北垣高成,末広尚士,小笠原司,劉 雲輝:並列処理型センサベーストマニピュレーションシステム:匠, (PDF, 3.13MB)

日本ロボット学会誌,Vol. 15, No. 3, pp. 363-372, 1997.

関連論文


[1] 末広尚士,高瀬國克: スキルに基づくマニピュレーションシステム,日本ロボット学会学会誌,Vol.8, No.5, pp.551-562, 1990.

[2] Takashi Suehiro, and Kosei Kitagaki: A Multi-Agent Based Implementation of Task Coordinate Servo for the DD Manipulator:ETA3, Proc.of Int.Conf.on Intelligent Robots and Systems (IROS '95), pp.459-464, 1995.

[3] Y.Liu, S.Arimoto, and K.Kitagaki: Adaptive Control for Holonomically Constrained Robots: Time-Invariant and Tine-Variant Cases, Proc.of IEEE Int.Conf.on Robotics and Automation, pp.905-912, 1995.

[4] Kosei Kitagaki, Takashi Suehiro, and Tsukasa Ogasawara, Monitoring of a Pseudo Contact Point for Fine Manipulation, Int.Conf.on Intelligent Robots and Systems (IROS '96), Vol.2, pp.757-762, 1996.